アトミクラブ
アテネパラリンピックへの道 永見真吉さん

勝田マラソン 伴走者の大会報告「高橋勇市さんの勝田マラソン」
報告 永見真吉さん

 2月11日は、勝田マラソンに出場する高橋勇市さんの後半の伴走です。 前半は、千葉マリンでサブ伴走をしていただいたHさんです。 この大会で高橋さんは、伴走有りの日本最高記録を達成したいと言うことで1週間前にペース表の作成依頼を受けた。 その時間を聞いてビックリしてしまった。その記録は皆様には内緒です。 今日は、高橋さんのバックアップのためNAさんが車で駆けつけてくれた。 それからこの大会に出場予定だったもう1人のNIさんが風邪で棄権したため応援に廻ってくれることになった。 したがってバックアップ体制もバッチリである。

 会場に入り私がアップの担当です。高橋さんの調子を聞くと朝飯を食いすぎたようで体が重いといっている。 時間を掛けてアップしたが中々体が軽くならないようである。いつものようにトイレを済ませスタート地点と向かった。 今日の参加者は、4000人と聞いている。いい記録を狙うためにも最前列から3列目をキープした。

 いよいよスタートである。 前半伴走の畑中さんに「お願いします。」と声を掛け、高橋さんには「元気な姿で20キロまで来いよ。」 と声を掛けてアクシデントがないことを祈り送り出した。

 伴走交代場所の20キロ地点にダブルNさんと3人で車で移動した。 NAさんには、車まで出してもらい朝一番で伴走交代地点の確認までしていただき本当に有難う御座いました。

 伴走交代場所につくといつものことであるが緊張してきた。 準備万端で高橋さんを待つ。給食と水を用意して待っているが20キロの設定時間に来ない。 何かアクシデントがあったのではと心配しながら2分が過ぎた。 NAさんから声がかかった。「スタンバイ!」設定時間2分強の遅れである。 でも余裕の笑顔である。 前半の遅れは、向かい風だったと聞いて安心した。 併走してバナナと水を渡し300メートル併走してから中畑さんと交代した。 中畑さんもハーフまでペース取のため走ってくれた。有難う御座いました。

 ハーフからの前半は、陸橋越えの一箇所を除いては略平坦である。 ここでペースをキープして後半の坂に対応するよう声を掛けて走った。

 30キロ通過。1時間56分19秒。設定タイムからは遅れているがいいペースである。 いよいよアップダウンのある後半である。とにかく坂の長さと勾配を指示してリズムを崩さないように伴走に徹した。 カーブも多くなり細心の注意を払い何とかクリアした。 高橋さんもこれに応え大きなペースダウがないまま40キロを迎えた。

 40キロ通過。2時間36分56秒。あと2キロちょっと。 ここで気を抜けば大幅にペースダウンしてしまう。 高橋さんが苦しいのは当然わかっていたがロングスパートの指示をしてペースを上げた。 キロ4分強のペースを3分50秒ぐらいまで上がってきた。 さすが高橋さんである。いつもながら後半の粘り強さには感心するばかりである。 残り1.5キロで一度転倒しそうになったが大丈夫。 直ぐに大きな左カープで本当に小さな段差でまたもや転倒しそうになった。 こちらも細心の注意を払って走路を確保していたが結果は高橋さんがつまずいてしまった。 最後のラストスパートに気をとられて段差が見えていなかったのだろう。伴走者としての不覚である。

 ラスト500メートルである。沿道の応援が凄い。聞こえてくる言葉は、 「盲人だよ。凄いな。頑張れ!」最後の左カーブを曲がって50メートル。 最後の力を振り絞ってゴール。 2時間45分23秒 やった!伴走有りの日本最高記録達成! この時間を高橋さんに継げると本当に嬉しそうな顔で「有難う御座いました。」と頭を下げられた。 「おめでとう。良く頑張った。」と返し余韻に浸った・・・・。

 今日の高橋さんの記録は、 高橋さんの努力はもとより応援して下さった皆様と忙しいなか練習で伴走して下さった皆様の支援があっての記録と信じてなりません。 この時に伴走できた私は幸せものです。 本当に有難う御座いました。高橋さんは、次の目標をすでに立てて実行に移ります。 皆さんの更なるご支援をお願いして大会報告とします。


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