アトミクラブ
この本に出会えて、千枝さんに出会えてよかった
飯野真澄さん

 95年か、96年の、東京国際女子マラソンのさよならパーティーで 「すみません、サインをお願いしたいのですが・・・・・」 「いいですよ。」 と千枝さんが書いて下さった言葉が「歓走」でした。 とてもいい言葉だなと その時から思っていました。でも、どういう意味があるのだろう?でした。

 当時は、社会人2年目か3年目で仕事とマラソンをどうするかで、行き詰まっていた 時でしたし、とても、歓んで走れる、 試合に出られる状況ではなかったので、 一体、どういう境地なのかなあ・・・・でした。

 その後、霧が峰での合宿で一緒の場所に泊まる機会が何回かあり、また、織田で お会いして話しをさせていただくうちに、私の目標だなと思ってきました。 そして今回、本を読ませていただき、とても励まされる気がしました。 また、歓走の意味が分かってきました。 少しでも近づけたらなあと思っています。

 千枝さんは、女子マラソンが始まった頃から走りつづけている、パイオニア的存在であり、仕事も家庭ももって頑張っていて、私の憧れです。(まだまだ、私は遠いなあ・・・)

 小出監督が、推薦の言葉で「日本女子マラソンの土台」と書いていましたが、トップランナーだけでなく、市民ランナー、特に女子に影響を与えていることは間違いないです。

 第2章の「ランニングの贈り物」の最初の方の文は、まさに、そうだなあと納得しています。 「ランニングを続けるうちに、いろいろな人との出会いがあり、迷ったり苦しんだりしているときも、 出会った人々が引き上げたくれたり、行き止まりだと思ったら道の先にあるものを垣間見せてくれたりした。 たくさんの出会いがあったからこそ、今まで走り続けてこられたのだと思う。

 出会いを通して、不器用なりに自分の走りを追求していくうちに、少しずつ見えてきたものを『走りの美学』と名づけ、新たなスポーツ文化を提案していくことで、 今までたくさんの人々にいただいたものに対して、何か恩返しができないか。」

 私もそんなふうになれればと思っています。この本と千枝さんに出会えたことに感謝して、この文章の結びとしたいと思います。

相模原市 飯野真澄


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