アトミクラブ
おかえり千枝さん 能登晴美さん

 普段はとってもっとっても本を読むのが遅い私が、驚くべき速さで、読破してしまいました!もらってすぐに、常磐線のなかで、小一時間。 半分までしか読めなかったけど、翌日また、国立競技場へ行くまでの常磐線の中で、泣きながら読んでしまいました。
 何度出ても、レース一週間前になると、自分以外のことは、どうでもよくなってしまって、終いには、「あー、みんなに、出るなんて、教えるんじゃなかった!」っと思ってしまう始末。 今回は、かぜをひいていて、気持がとっても、ゆがんでいました。 千枝さんの本を読んだら、かぜどころか、もっと悲惨な状態でも、私よりももっと速く走っているではありませんか!とても勇気が出ました。 実際、当日レースを走ってみたら、せき一つせずに自己ベストで完走してしまいました。 「かぜひいてる」なんて、ただの甘えだったんだ。とても、はずかしくなりました。 でも、レース前に、嫌な自分になってしまう気持、千枝さんなら分かってくれると思います。 この本は、私が言いたいこと、日頃思っていること、とても沢山代弁してくれているような、本でした。
 松田一家には、いつもよくしていただいて、それだけでも、いつも「私は幸せだなー」と、思っているのですが、だからこそ、とても身近に感じて、一字一字うなずけて、泣けて泣けて仕方がありませんでした。
 第一章の最後の田中稔さんのお手紙は、まるで、自分がもらったかのように、「ああ、分かる人には分かるんだ。」と、大変感激しました。 「去年までは伝統あるベンツチームのF1レーサーのお顔でしたが、今年は正に栄光のロールスロイスそのものです。」 もし、私が千枝さんをずっと見てきていたなら、きっと同じことを思うと思いました。
 私が千枝さんと仲良くなり始めた頃は、すでに、千枝さんは、私達の身近なとても素敵な人でしたが、その前は、ちょっと近寄りがたい、マラソン競技者だったんじゃないかな?(失礼だったらごめんなさい) 「タイムは2時間58分16秒で51位。決して良い記録ではないけれど、満足だった。ただ、走り切れたことがしあわせだった。」 千枝さんがこのコメントを話された大会では、千枝さんのすぐ後ろでゴールした私は、この言葉を読んでとてもうれしかった。 ああ、千枝さんは、満足だったんだ。不本意じゃなかったんだ。
 競技者松田千枝が私達のところへ、戻ってきてくれた。おかえり千枝さん。
 ますます、追いつけない遠い目標(この目標が、レースのタイムじゃないってことは、千枝さんには、分かって貰えると思います。)になっちゃったけど、私はずっと千枝さんを目標に、続けますよ!ランニング!!
能登 晴美


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