アトミクラブ
これが私のトライアスロンレース
「AUSTRALIA FORSTER IRONMAN」
レースリポート
オーストラリア シドニー在住 奥田庸子さん

 「言い訳があるから気が楽じゃない?」と口の悪いJohnにレース前に言われた。 レースから2ヶ月前、自転車で事故に遭い一週間の入院。 肋骨2本、右肩、右肘の骨折、右肺に穴を空けた。 「まだ若いんだから(?)来年があるじゃない」・・・ 「そんなに無理しなくても」といろんな人から言われたけどPabも私も諦める気はなかった。 言われれば言われる程「やろう」と決心を固くした捻じれた私。 初めてのIRONMAN。レース当日はきれいに晴れ上がり風もほとんどないパーフェクト・コンディション。

 大きな緊張もミスもなく早めにスタート地点へ。 骨折した右肩・肘をバトルから庇うためコースロープに沿って泳ぐ作戦(右側に人がこないように)をとった。 思っていたほどバトルもなく(1200人の人が同時に水面からスタート)肩や肘に痛みはない。 事故の後、両手で泳いだのは大会前ラスト2週間だけ、やはり持久力のなさを感じた。
3・8kmのスイム、水から上がり時計を見ると1時間05分09秒。 自分の予想よりかなりいいタイムで泳ぎきりビックリした。 かなり速いトランジションもでき、次は1番不安のあった180kmのバイクパート。 レース前のトレーニングで右腕を庇うためのアンバランスから右腰、 ヒップ、ハムストリングスに痛みと張りが続いていた。 バイクコースはそれ程きつくはないけれど路面がとても粗い。 はやる気持ちを押え自分のペースを(30km/h over)守った。 2週目に入っても疲れや痛みは出ず、最後までいいリズムでバイクを乗り終えた。 予定していた6時間よりすこし速い5時間54分26秒。 まだまだ元気、あと残す所はフルマラソンだけ!!

 気温が上がり日差しも強くなってきた。 2kmごとにある給水所ではスポーツドリンク炭酸の抜けたコーラ(Not too bad)を飲み、 頭に水をかぶった。 さっきのバイクパートで颯爽と抜いていった選手達が皆、列になって歩いている。 沿道にはたくさん友達がいて私は最後まで笑顔を返し、手を上げて声援に応えた。 「壁」に当たることなく、大きな痛みや問題もなくフィニッシュラインに帰ってきた。 3年目にしてやっと(?)この花道を通ることができた。

 さっきまでいいランニングフォームで走っていたのにフィニッシュラインを過ぎた途端、 足がガクガクで上手に歩けない。 目標にしていた11時間を切る記録(パブのベストタイム)を達成し10時間45分50秒でゴール。 今回はこれでよくやったと自分に言ってあげよう。 この結果にとても喜んでくれたパブ、 彼は私のコーチ、マネージャー、メカニック・マッサージャーととても忙しい日々だった。

 レース前に考えていたIRONMANは「長くて苦しいレース」だったけど、 辛い苦しいばかりではなかった。 終わった今はもっとレベルアップしてまた挑戦したいと思っている。

 私の長女潤子が「なんでそんな長い距離をやらなくちゃいけないの?!」 と笑っていたという。 いまだに彼女を納得させる“言い分”が見つからない。

 次のレースの予定は7月23日下北トライアスロン大会、 9月3日佐渡の日本選手権に出場します。乞うご期待! また皆さんと会える日をたのしみにしています。 事故と故障に気をつけてお過ごしください

追伸
7月・8月とまたパブと二人で日本に行きます。北海道のニセコに滞在します。 ぜひ遊びに来てください。パブはラフティングガイド、 私はインドア・ロッククライミングのインストラクターとショップを担当します。


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