アトミクラブ
生まれて初めての駅伝出場
アトミAチーム4区 宮下毅さん

 襷をつけて走るというのが、これほどプレッシャーのかかるものだとは思いませんでした。 これが、生まれて初めての駅伝を体験した私のいつわざる感想です。

 これまで、多くの駅伝をテレビで観戦してきましたが、注目された選手が大ブレーキを起こしたり、 エースの不在のチームが優勝したり、まさに駅伝は筋書きのないドラマだなあというくらいの印象は持っていました。

 ただ、襷をつけて平常心で走ることが、どれほど難しいことなのか、自分で出場してみて初めてわかりました。

 小生の走ったのは4区6.4Kの山下りでした。 下りのコースは苦手ではありませんし、 4マイルの距離なら朝飯前、落ち着いていけば、どうってことはないと最初は多寡をくくっていました。

 しかし、実業団の先頭のチームが入ってくる頃から、どれだけ押さえようとしても、 心臓バクバク状態を止めることができませんでした。

 襷を受け取った瞬間は、本当に頭の中が真っ白になりました。 最初は落ち着いて入ろうと心に決めていたはずが、気付くとかなりのスピードで突っ込んでいました。

 2キロぐらい行ったところで我に帰ったのですが、スピードをゆるめると、 後ろから誰か迫ってくるような恐怖感に襲われ、そのまま行かざるを得ませんでした。

 そのつけがたたり、後半少しバテテしまい、後続の2人に抜かれてしまいました。 抜かれてからは、また後ろから来るのではないか、 早く次の走者の飯村さんに早く渡さなければということばかり考えて走りました。

 次走者の飯村さんに襷を渡した瞬間、一瞬これまで味わったことのない安堵感を感じましたが、 その後は、チームは私のせいで入賞できないのではと、また、 ゴール地点に行くまで心配の虫が騒ぎ続けていました。

 アンカーの奥村さんが、4人抜きで9位に入賞することができたと聞いた時は、 チームの一員として曲がりなりにも責任を果たせたと、本当にほっとしました。

 レース後の懇親会では、朝からの緊張が一気にほぐれました。 出場した方々の意見を聞いて、駅伝であがってしまう、後ろから迫ってくる恐怖を感じて走るのは、 私だけではないことがわかりました。

 そして徐々に新春の奥武蔵路でアトミの皆さんと力を併せて走ることができた充実感が込み上げてきました。 何とも言えない緊張感と終えた後の充実感。これが駅伝の醍醐味とでもいったものでしょうか。

 これからもアトミの皆さんと一緒に走り、さらなる自分の向上を目指そうと決心することのできた大会でした。        


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