アトミクラブ
遠藤昌志さんの紹介記事

 「福岡国際マラソンに40代の市民ランナー」と題して
…読売新聞12月3日夕刊より転載…

 国内外の招待選手が注目された福岡国際マラソンには、黙々と走り続ける40代選手の姿があった。 99年12月以降の公式大会で2時間26分を突破していないと参加できない国内有数の名門レース。 この難関をくぐり抜け、完走を果たした“中年パワー”は底知れない。

 自己ベストを更新したのは今年2月の東京国際マラソン。 千葉県市川市の会社員遠藤昌志さん(43)は、42歳にして初めて26分を切る2時間25分44秒を記録、「福岡」への初切符を手にした。 レースでは20キロ過ぎから胃の不調に悩まされながらも、2時間27分11秒でフィニッシュ。 25人が制限時間オーバーなどで途中棄権となった激戦を走り抜き、完走66人中37位となった。

 フルマラソン挑戦は30歳という遅咲き。中学時代に駅伝の経験があるだけだったが、「自分の頑張り次第で成績がどうにでもなる」と魅せられた。 個人練習を積み重ね、毎年のように国内の主要大会に参加した。「常にワンランク上を目指す」のが信条だ。 2時間30分前後のタイムに落ち着くと、99年以降は、かっての東日本縦断駅伝の同僚と一緒に練習を開始した。 速めのペースに設定した長距離走などをこなし、昨年のつくばマラソンで2位に入るなど、ここ3年で3度自己ベストを更新した。

 燃料電池の触媒を研究開発するのが仕事。「何百もの試作を試験して、ものになるのが一つあるかないか」という気の遠くなりそうな作業だが、昼休みに6キロ、終業後に14キロ走るトレーニングを欠かさない。 そんなひたむきな姿に家族は理解を示しているという。… 「40キロ通過から8分切らないとだめ。夏に走りこみます。50歳までは出場し続けますよ」。念願の舞台に立ち、また目標を見定めた。


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