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第47回奥武蔵駅伝競走大会詳報
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開催日:1998年1月25日(日)
走路:全長:43.852km 東飯能駅→正丸駅前折り返し→飯能駅前
1区 | 東飯能駅前→→東吾野駅前 | 9,886m |
2区 | 東吾野駅前→→吾野駅前 | 5,453m |
3区 | 吾野駅前→→→正丸駅前 | 6,800m |
4区 | 正丸駅前→→→吾野駅前 | 6,410m |
5区 | 吾野駅前→→→東吾野駅前 | 5,793m |
6区 | 東吾野駅前→→飯能駅前 | 9,510m |
※Aチーム、後半猛追撃も及ばず準優勝!惜しくも5連覇を逃す!
※Bチームは健闘し、入賞(12位以内)にもう少しの14位!
※フィフティーズVSフォーティーズの先着争いは老練フィフティーズ に軍配が上がる。
---1月26日(月)埼玉新聞朝刊より---
第47回奥武蔵駅伝競走大会は25日、
飯能市内→正丸峠折り返し(43.734キロ)に409チームが出場して行われ、
高校は埼玉栄Aが2時間16分47秒で2年連続15度目の優勝を飾り、
2位には飯能Aが入った。
実業団は安川電機が2時間10分59秒の大会新で2連覇を飾った。
大学は択大Aが2年ぶり2度目の栄冠を獲得し、
一般は第一施団JC−Aが5連覇を狙ったアトミクラブAに競り勝ち初優勝した。
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【各選手の記録】
2位 アトミクラブA 2時間19分59秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
選手名 |
稲川 |
高畑 |
山川 |
石田 |
野口 |
山川 |
区間順位 |
9 |
5 |
8 |
1 |
1 |
1 |
区間記録 |
31分50秒 |
18分13秒 |
23分47秒 |
18分45秒 |
17分30秒 |
29分54秒 |
14位 アトミクラブB 2時間29分14秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
選手名 |
谷川 |
鈴木貴 |
加藤 |
福島 |
飯村 |
筒井 |
区間順位 |
20 |
15 |
23 |
16 |
14 |
13 |
区間記録 |
32分50秒 |
19分11秒 |
25分01秒 |
20分45秒 |
19分24秒 |
32分03秒 |
45位 アトミフィフティーズ 2時間41分37秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
選手名 |
篠原 |
本田美 |
酒井 |
小賀田 |
山本 |
秋葉 |
区間順位 |
63 |
70 |
54 |
43 |
48 |
47 |
区間記録 |
35分34秒 |
21分24秒 |
26分31秒 |
22分05秒 |
21分31秒 |
34分32秒 |
58位 アトミフォーティーズ 2時間45分31秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
選手名 |
中沢政 |
山口明 |
梨本 |
森 |
高橋玄 |
吉田 |
区間順位 |
97 |
83 |
30 |
63 |
69 |
78 |
区間記録 |
36分46秒 |
21分43秒 |
25分27秒 |
22分56秒 |
22分14秒 |
36分25秒 |
【レース概要】
5年連続を狙ったAチームは、前半から思いもよらぬ苦戦を強いられた。しかし、つけられ
た大差を残り3区間で驚異的な追い上げを見せ、先行チームを次々に抜く展開で最終区に期
待がもたれた。トップを行く「第一施設団JC」には最後1分近くまで迫ったが惜しくも逃
げ切られた。
今年は5連覇こそ逃したものの、各区間それぞれの選手が力を出し切り、優勝チームに楽
勝をさせない意地を見せた。来年はまた、気持ちを新たにし、チャレンジャーとして「奥
武蔵駅伝」の優勝旗を取り戻したいものだ。
Bチームは今年もよく頑張った。当初予定されていたメンバーをAチームの補強と故障者
で2人欠きながら、強豪チームが林立する上位チームを相手に14位は立派だった。
一方、フォーティーズ対フィフティーズはフィフティーズが1部の区間で追い上げられた
ものの全区間安定した力でフォーティーズを押さえ先着した。
以下Aチームを中心に4チームのレースの展開、そして各区間の選手の活躍と横顔を追う
ことにする。(敬称略)
【1区】東飯能駅前→東吾野駅前 9,886m
A稲川先行上位グループにつこうとするも寒さで体動かず、最後は持ち前の粘りを見せたが
区間9位。B谷川「花の1区」を手堅く走り20位。フィフテイーズとフォーティーズは老
練?篠原監督が前日不眠の若手中沢政を1分以上差を付け先着。当初、Aの1区は12月ま
で絶好調の根本が走る予定であった。その根本が昨年暮れに足を痛め走れない代わりに4区
で密かに区間賞を狙っていた稲川に1区を走れと白羽の矢が立った。「花の1区」は今年も
そうそうたるメンバーが集まった。どのチームも1区を制しようとスタートから飛ばす。昨
年は後半までけん制気味に10人ぐらいの集団だったが、今年は河口陸協小林、秋留台Aの
野口、第一施団JC鴇田、コニカランベルの増田などが早々先頭集団を形成し、稲川もこの
グループにつこうと必死だったが寒さのためか体が思うように動かない。残り1キロ付近で
昨年同様、河口陸協小林スパートし、これに上位4、5人が追う。いつもの稲川であればこ
の追う4、5人のメンバーに入っているはずだが、逆に1分ほど離され調子が出し切れない
まま9位で2区高畑へ。
一方、Bの谷川は終始安定した力で20位前後を他の選手と競りながら残り1キロ付近を
通過、2区鈴木貴へ手堅く中継。
<フィフテイーズVSフォーティーズ>
篠原対中沢の争いは、じつは前夜で決着がついていた。中沢がこの区間を走ることが決ま
ったのが前日。すぐに引き受けたものの、昨年死闘演じることになった大事な区間。「篠原
にいかに勝つか」「フォーティーズのメンバーのために少しでも貯金をつくろう」などと考
えすぎ、緊張もあってか前夜は一睡もできなかった。一方、篠原は体調を整えるために十分
睡眠をとっている。この差が走りに出た。十分にスピードに乗っている篠原。苦しさにあえ
ぎ本来の走りができない中沢。中沢が「こんな筈では」と思っているうちに1分以上あけら
れてしまった。篠原の貫禄勝ち。
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【2区】東吾野駅前→吾野駅前 5,453m
A初陣高畑 4人を抜き区間5位。見事代役を務める。B鈴木貴 力をつけ区間15位で順
位を上げる。フィフティーズ本田美 対フォーティーズ山口明 は初の女子区間対決。二人
のスピードある走りに沿道の人や他のチームの選手もビックリ。この区間僅差ながらも本田
がややリード。フィフティーズ差を広げる。2区 高畑は当初Bチームの1区を走るつもり
でいた。しかし根本が抜けた穴を埋めるために大役Aの2区を走れと言い渡されたのは2日
前。昨年春より練習会に参加しAグループ中堅の位置で頑張っている。したがって
「奥武蔵」は初めての出場。練習会で15分半ばの力はこの区間で実力通りに発揮された。
タスキをもらった直後、まず併走していたゼクセルOB会荒井を抜き、続いて名友クラブ・
コニカランベル・横瀬体協の選手も穫らえ前に上がる。途中拓大ACの小林にかわされたが
タスキ渡し寸前に善光寺クラブに迫った。区間5位で大事な区間を堂々走りきった。来年は
もっと力をつけてAチーム定着を狙う。
一方、トップ争い3チーム、第一師団、秋留台A、川口陸協は区間1・2・3位の走りをし
アトミとの差をさらに広げる。この上位3チームはタイム差なしで3区混戦へ持ち込む。
Bは昨年4区を走った鈴木貴がこの1年で力をつけ混戦2区を走りきった。1区の谷川から
タスキを受けると団子状態のグループでしのぎ、通算の順位を7つぐらい上に上げ区間順位
15位でつなぐ。
<フィフテイーズVSフォーティーズ>
フィフテイーズは篠原から本田美恵へ、そしてフォーテイーズは中沢から山口明子にタスキ
が渡った。本田は昨年出場を決めながら故障でこの駅伝を棒に振った。一方、山口は昨年5
区で快走をみせ今年も頑張りたいと意気込んでいた。ふたりのこの区間のタイム差はわずか
19秒。もし並んで走るような状況だったら、そしてもっとの沿道の応援が多かったら「奥
武蔵路に花を添える!」と新聞記事にもなったであろう。2区にあって区間70位、83位
は立派。きつい2区のコースを走り抜いた2人に拍手!来年こそレディースチームを!
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【3区】吾野駅前→正丸駅前 6,800m
A山川 いつもの力強さ出せず区間8位。B加藤 代役山登り区間を無難につとめ区間23
位。フィフティーズ酒井、フォーティーズ梨本に追い上げられたが逃げ切る。だがここで約
1分詰まる。
2区・3区は混戦模様。上位5チームの上位争いは目まぐるしく変わる。約1分20秒遅
れでタスキを受けた山川、上位5チームの混戦に加わろうと見えない相手めがけて最初から
飛ばす。だがいっこうに差は詰まらない。稲川同様からだが切れない。山川は3区登りのス
ペシャリスト、過去3年の山登りでは3回連続逆転でトップに立ち、優勝の立役者になって
いたのだが、「おかしい調子が出ない」と思っているうちに拓大AC・ゼクセルOB会・横
瀬体協の選手が脇をすり抜けていく。結局、山川は本来の力を出せないまま区間8位、チー
ム順位8位で4区石田にタスキを渡す。ここで1位川口陸協に2分15秒、2位第一師団に
2分6秒差と離された。
B加藤 当初フォーティズ1区を走り、フィフティーズ打倒の旗手的存在を務める予定で
あったが、Bチームの穴を埋めるため今年もこの3区を走ることになった。前の鈴木がいい
位置できたので加藤も本来の山男ぶりを発揮した。区間23位。
<フィフティーズVSフォーティーズ>
酒井・梨本は、昨年もフォーティーズA・Bとしてこの区間を競り合った。今回、梨本は
マラソンに向けた昨年暮れからの走り込みが十分。酒井も一泡吹かせようと気力十分で臨ん
だが練習量の差がはっきり出た結果となった。梨本はここで1分以上の差を詰め、後半の先
着争いに期待をもたせた。
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【4区】 正丸駅前→吾野駅前 6,410m
Aは石田が細野のもつ区間記録に3秒と迫る区間賞で4人を抜き、先行チームを追いあげ
る。B福島(石田の友人)若さあふれるスピードで4区を駆け下り、区間16位と健闘。
フィフティーズ小賀田、快調に駆け下り、フォーティーズ森の必死の追い上げをものともせ
ず逆に水をあける。
第4区Aは昨年アンカーでゴールのテープを切った石田が登場。今年は急きょ4区に回った
1月に入り大雪の中で練習中に足を故障しこの駅伝に間に合うかどうか心配されたが、タス
キを受け、走り出してその不安は消えた。後半3区間の追い上げは石田の区間賞、ごぼう抜
きから始まった。まず横瀬体協を抜き、次にゼクセルOB会、川口陸協をかわす。5区でタ
スキを継ぐ手前で拓大AC田中もとらえ、通算3位に上がる。だがここまで通算1位の第一
師団原も区間4位の走りで15秒縮めたにとどまった。この時点を終わってトップ第一師団
に1分48秒差、2番手善光寺クラブに1分7秒差。この区間石田は4年前細野が出した区
間記録にあと3秒と迫る18分45秒だった。「来年もこの区間を走り細野さんの記録を破
りたい」とは石田。
Bで急きょ走ることになった福島は石田の市立船橋高時代の友人で現在学生だ。高校時代は
800mを専門にやっていたという。これから長距離種目に力を入れたいということでアト
ミの練習会にも顔を出すことだろう。福島は中距離のスピードを生かしぐいぐい下っていく
前を行くチームを数人抜き、区間16位でタスキを飯村に。
<フィフテイーズVSフォーティーズ>
小賀田対森の区間争いも興味が持たれた。じつはこのふたり練習会グループCでも常に競っ
ている。力は5分と5分と見ていたが、小賀田が実にいい走りをみせた。森の追い上げをは
ねのけ、反対に50秒以上差を広げた。フィフティーズをさらに楽にする。
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【5区】吾野駅前→東吾野駅前 5,793m
A野口 驚異的な追い上げで2位に上がる殊勲の区間賞。 B飯村 昨年の自己記録を大幅
に短縮!区間14位で踏ん張る。フィフティーズ山本 10年振りに奥武蔵路を走る。
フォーティーズ高橋 昨年の同区間自己記録を20秒短縮。ほぼフィフティーズの逃げ切り
が見えた。
Aは、石田の勢いをそのまま引き継いだ野口がすばらしい走りを見せた。野口は以前から
水曜日に練習しているメンバーと走ることを熱望していた。3位でタスキを受けた野口。好
調さが走りに出ていた。この体のどこにエネルギーがあるかと思うくらいの勢いで前行く上
位2チームを積極的に追っていく。「山口さんのために少しでも詰めておきたい。」前半か
ら快調にとばし、2番手善光寺クラブ(区間6位)とあった1分7秒差を奇跡とも思える走
りで詰め、さらに8秒の差をつけた。トップを行く第一師団にも39秒詰める健闘をみせた
最後は力を出し切り、よれよれになりながらアンカー山口にタスキが渡る。
Bは昨年もこの区間を走った飯村。同じ区間を走るということはこの1年の結果が出る。こ
れまで練習にむらがあった飯村だが練習会では上位のグループに積極的に参加。長い距離の
練習にも取り込んだ成果が出た。さらに昨年この区間で他チームとぎりぎりまで競り合った
自信も大きかった。昨年22位の区間記録を14位に。そしてタイムを21秒縮めBチーム
定着をはかる。
<フィフティーズVSフォーティーズ>
職場の移転や故障に泣かされ、「奥武蔵」はおよそ10年ぶりの出場の山本と昨年山口明子
とこの区間で死闘を演じた高橋玄との区間争いはフィフティーズの勢いをそのまま引き継い
だ山本が約40秒の差を広げ、アンカー秋葉に。ここでフィフティーズ先着が揺るぎないも
のになった。
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【6区】東吾野駅前→飯能駅前 9,510m
A山口 3年振りのアンカーで先行「第一施団」武田を追撃、結果は余裕を持って走った武
田に8秒詰めたにとどまったものの区間賞で2位のゴールを切った。B筒井初の奥武蔵路、
アンカーの大役を見事こなす。フィフティーズ秋葉VSフォーティーズ吉田の区間争いは、
豊富な練習量をものいわせた秋葉に軍配が上がった。代役アンカー吉田には、10キロ区間
は長すぎた。したがって今年はフィフティーズがフォーティーズを4分近い大差をつけて勝
利を飾った。
Aは、3年ぶりにアンカーをつとめる山口。このコースは過去何度も走って知り抜いている
前を行く第一師団武田とは1分12秒の差。どこまで追い上げることができるか勝負を賭け
この9.5キロに挑んだ。一方、先行の武田も奥武蔵のこのコースは川口陸協・第一師団と
渡り歩き知り抜いている。昨年6区石田を押さえての区間賞男だ。力は山口のほうが上だろ
う。
でもそう易々とは詰めさせてくれない。せめて30秒くらいの差なら相手の後ろ姿も見え射
程距離として捉えられたかもしれない。山口は焦る。どんなに走っても前が見えてこない。
沿道からも「おーい、アトミー、今年はどうしたー!」声援が飛ぶ。ここ4年トップで、こ
の奥武蔵路のこのコースを通過しているので「アトミがこない」ことは地元の人にもわかっ
たのだろう。
どれだけ走っても詰めている位置がわからないことは消耗になる。それでも山口は気を取り
直し8秒縮める区間賞で2番目のゴールテープを切った。前5人の汗がしみるタスキを見て
「よーし、来年の雪辱を期すぞ!」と心に決めた。
Bアンカー筒井(昨年秋、大阪より関西電力の出向で東京にきた。大阪の安東君の紹介で練
習会に参加するようになった)。飯村からタスキをうけた筒井は未知の6区コースを入賞圏
内に入るべくとばした。アンカー区間になると前うしろが離れており、自分がどの位置を走
っているのか見当がつかない。競り合う相手がいないままゴール。結果は区間13位、Bチ
ームは総合で14位となった。
<フィフティーズVSフォーティーズ>
フィフティーズ秋葉は昨年春先より練習会に参加、奥武蔵初出場。一方フォーティーズの
吉田は奥武蔵のアンカーを何回ともなく走っている。52歳の秋葉と40歳になり立ての吉
田のアンカー勝負も興味が持たれたが、練習量でやはりこの区間も差が出た。年末からマラ
ソンを目指した走り込みは十分。一方、吉田は練習不足せいか中間点を過ぎたあたりから全
く足が動かなくなった。ここでも最終的に2分近い差が付き、通算でフィフティーズが3分
54秒先着し完勝した。
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報告者からひとこと
今年も4チームが無事完走できほっとしています。Aの2位、Bの14位、フィフティーズ
の45位、フォーティーズの58位、どれをとっても立派な成績だと思います。選手の皆さ
んほんとうにご苦労さまでした。フィフティーズ・フォーティーズの先着争いは残念ながら
差がつきましたが、フォーティーズの名誉のために申し上げますとこれも上位チームに人を
送った結果だと思います。また来年素晴らしい区間争いをしたいものです。最後に付き添い
応援にきていただいた若松さん、増沢さん、中村さん、川名さん、森さんの奥様、山口明子
さんのお母様、寒い中をいろいろお世話いただきありがとうごさいました。根本さん、萱野
さん、故障をおしての応援ありがとう。
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1/25アトミクラブ新年会+福岡直樹さんの送別会おおいに盛り上がる。
奥武蔵駅伝終了後アトミクラブの新年会が開かれました。40人を超える参加者に会場とな
ったお蕎麦やさんもびっくり。奥武蔵の報告や福岡さんの挨拶など盛りだくさんの料理とと
もに会場大いに沸きました。福岡さんは元気に旅立ちました。
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