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第3回奥むさし駅伝競走大会
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開催日:2005年1月30日(日)
【奥むさし駅伝について】
コースは東飯能駅前をスタート、西吾野駅前を折り返し、
ふたたび飯能市街に入り商店街をゴールとするおよそ39.6kmの距離。
このコースの特徴は往路がほとんど上り、復路は反対にほとんど下りの6区間。
真冬のこの時期、往路は向かい風、復路は追い風となるが時おり逆風が吹くこともあり選手を悩ませる。
西武秩父線に沿った渓谷脇の走路を山間の風情を味わいながら走る(味わう余裕などないと叱られそう)。
一般クラブや実業団、大学、高校が結集する駅伝として関東一円で高い人気がある
【第3回奥むさし駅伝競走大会結果上位・アトミチーム】
順 位 | チーム名 | タイム |
1位 | 平成国際大学 | 2時間00分02秒 |
2位 | 中央大学 | 2時間02分36秒 |
3位 | 三ケ島RC | 2時間02分59秒 |
4位 | ボッシュAJ(ゼクセル) | 2時間03分13秒 |
5位 | Dream | 2時間03分33秒 |
6位 | 東洋大学 | 2時間03分47秒 |
7位 | 長野市駅伝部 | 2時間04分21秒 |
8位 | 国士館大学 | 2時間05分07秒 |
9位 | 早稲田大学 | 2時間06分03秒 |
10位 | 新電元工業 | 2時間06分17秒 |
11位 | 筑波大学 | 2時間06分46秒 |
12位 | アトミクラブ | 2時間07分15秒 |
13位 | 川口市陸協 | 2時間08分21秒 |
14位 | 駿河台大学 | 2時間08分29秒 |
15位 | 信州駅伝 | 2時間09分32秒 |
16位 | 新潟なかよし | 2時間11分37秒 |
17位 | 羽生市陸協 | 2時間12分20秒 |
18位 | 東電埼玉 | 2時間13分27秒 |
19位 | 横瀬陸協 | 2時間14分06秒 |
20位 | YKK | 2時間14分15秒 |
21位 | 織田Fクラブ | 2時間14分29秒 |
【大会詳報】
大会当日は早朝までかなりの強風が吹き荒れ、交通機関への影響も心配されたがスタート時刻が近づくに連れ、
強風もややおさまり、快晴の下、第3回目の「奥むさし駅伝」が開かれた。
午前9時、東飯能駅前をスタート、西吾野駅前折り返し、
ふたたび飯能市街に戻りゴールとするおよそ40.1kmのコースを実業団チームや箱根で活躍する大学チーム(2軍?)に一般市民ランナーチーム、
そして部門の違う高校チームを交えての参加で行われた。
わがアトミクラブは他の実力ある一般クラブチームとともに実業団や大学が加わる戦国駅伝の10位以内入賞を狙った。
出場チームは「中大」、「筑波大」、「早大」、「平成国際大」などそうそうたる大学名が並ぶ。
さらに「新電元」、「ボッシュ(ゼクセル)」などの実業団チーム、実業団OBで構成した「Dream」*や永年のライバルチーム「川口陸協」、
「長野市駅伝部」、「新潟なかよし」などの常連も名を連ねる。
一般の部完走チームは137チーム。まさに戦国駅伝だった。
(*追記 「Dream」チームは神田哲広、早田俊幸、渡辺尚幹、川嶋伸次選手などそうそうたる顔ぶれが並ぶ、
すでに一線を引いたとはいえ、まさにドリームの名称にふさわしいチームだった。)
以下、アトミクラブ練習会メンバーの主力で構成した「アトミクラブ」と「織田Fクラブ」のレース模様と選手たちの横顔、
そして老若入り混じえて構成した有志チーム「代々木公園RC」、「代々木ベテランズ」、「原宿走友会」、
「ATMシルバーズ」の四つ巴のレース振りも併せて報告してする。
(この報告は森さんが整理しました駅伝の記録と袴田さんが速記してくれた大会後の新年会で選手の皆さんが語ったコメントなどを参考にまとめました。
失礼の段、悪しからず。
<アトミクラブ>
大学、実業団、実業団OBチームなどに伍して堂々渡りあった。
今回は健闘むなしく入賞ならず。12位に!
12位 アトミクラブ 2時間07分15秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
距離 |
9886m |
5433m |
5080m |
4607m |
5294m |
9283m |
選手名 |
向井孝明 |
高畑吉元 |
中里綾介 |
遠藤昌志 |
中村利峰 |
石田剛士 |
中継記録 |
0:31:28 |
0:50:07 |
1:06:33 |
1:20:49 |
1:37:26 |
2:07:15 |
中継順位 |
10 |
12 |
8 |
10 |
12 |
12 |
区間記録 |
0:31:28 |
0:18:39 |
0:16:26 |
0:14:16 |
0:16:37 |
0:29:49 |
区間順位 |
10 |
16 |
6 |
11 |
12 |
15 |
一般の部1区は大学、実業団、一般クラブチームの精鋭が結集するもっともきびしい区間に137チームがひしめく。
この区間には昨年に引き続き向井が出走。
向井はスタート直後から大学や実業団選手の猛者を相手に堂々渡りあった。
前半は団子状態、中盤から「Dream」の神田、「平成国際」の前田、「三ヶ島RC」の塩之谷らがじりじり前に出て第1グループを形成。
向井はやや後ろの第2グループに位置し、10数人の選手らとともに前行く数人を追走する形となった。
向井に並んで箱根の山で鳴らした「川口陸協」の小林修(早稲田OB)などの顔も見える。
昨年はこの小林に10秒差をつけられ悔しい思いをした向井だが今回はその雪辱を果たした。
同タイムながら小林に向井が先着した。向井はこの1区を10番手で2区中継点に。
「昨年10月の北京を走ってから故障し、12月までは走りこみが出来ていないんです」と言う向井。
「皆さんに力以上の期待を持たれましたがなんとか走りきれました」「タイムもよかったと思います」とコメント。
メンバーの期待を裏切ることなく花の1区を無難にこなした。
昨年(区間13位)より強豪が出揃った1区で10位は立派。
2区高畑選手も昨年に続いての2区を担った。
昨年は6人抜きを演じた高畑だが、なぜか今大会、力が出し切れなかった。
高校、大学、一般がひしめく中継点でのタスキリレーからずっと流れに乗れないまま3区中継点にきてしまった。
「自分に不甲斐ないです」という高畑だが「今度こそ雪辱を期したいので来年もこの区間を走りたい」と決意の程をみせた。
チーム順位を2つ落としたが12位でタスキリレー。
3区は最近の練習会では一番大きな声が出ている元気印の大学生ランナー中里綾介。
この3区でもその元気と若さを十二分に発揮。
時折、きつい向かい風の吹くこの登り区間5・1kmを若さにまかせて一気に駆け上がる。
前を行く大学や高校、一般の選手をつぎつぎに捉えチーム順位を押し上げる。
同年代の「大学生には負けたくなかった」と闘志を剥き出しにしてごぼう抜き。
今回出場したアトミのメンバーで唯一、区間一ケタの6位でタスキリレー。
3区を終えた時点で総合8位に上がる。
4区遠藤はこの「奥むさし」をアトミのタスキを背負って走るのは初めて。
昨年は付き添いとして参加。今回は神原の代走として出場。
40代半ばとは思えない走りで学生らと競り合った。
「中里君の年齢に比べると倍以上の年をとっていますが若いものには負けたくありません。
学生ら何人かには抜かれましたが14分前半では走れました。
まずまずです」と満足そう。
ベテランがこの位置できっちり繋いでくれると心強い。ここでは10位のタスキリレー。
5区次は若手の伸び盛り中村(利峰)の登場。
昨年は自己新の連発で15分台入りを果たしもっか好調そのもの。
Aチーム入りは昨年の“東日本国際駅伝”の頑張りで抜擢された。
がっちりした体を反らせながら下りの5.3kを一気に駆け下りる。
「スピード練習をしていなかったので来年はもっとスピードをつけて頑張ります」とまだまだ粗削りながら未完の大器。
この区間12番手で中継。
6区 昨年に続きアンカーを務めるのは石田。
石田も若手が3人も加わるチームの中に入るとベテランの風格が出てきた。
初の「奥武蔵」経験からもう8〜9年くらい経つだろうか。
高校を出てまだ間もない頃に比べ初々しさが消え、力強さがにじみ出てきた。
最近は故障、復調の繰り返しだが、この「奥むさし」には間に合った。
大学、実業団の実力者が集まるこの区間を無難に走りぬき12番目のゴールテープを切った。
来年はさらに上位目指して走ろう。
<織田Fクラブ>
1区酒井拓磨のがんばりに後続も奮起、大舟、飯村、伊瀬地、斉藤(悟)、野口とチーム全員が安定した力で繋ぎ総合21位に入る。
21位 織田Fクラブ 2時間14分29秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
距離 |
9886m |
5433m |
5080m |
4607m |
5294m |
9283m |
選手名 |
酒井拓磨 |
大舟幸信 |
飯村 聡 |
伊瀬地貴 |
斉藤 悟 |
野口賢一 |
中継記録 |
0:33:27 |
0:52:37 |
1:10:29 |
1:25:39 |
1:42:42 |
2:14:29 |
中継順位 |
30 |
21 |
20 |
21 |
19 |
21 |
区間記録 |
0:33:27 |
0:19:10 |
0:17:52 |
0:15:10 |
0:17:03 |
0:31:47 |
区間順位 |
30 |
21 |
20 |
21 |
15 |
27 |
織田Fクラブの1区は若手の代表、酒井(拓)。
昨年は15分台を何度も出しスピードランナーに変身中。
その安定振りで1区に抜擢される。
猛者がひしめく花の1区を30番手で中継。
「向井君から2分以内で入るのが目標」と1分59秒差で入り口約を果たした。
「来年は花の1区よりAチームで走りたい」とA入りに照準を据えた。
2区大舟も昨年は自己新の連発男。
「黄色いタスキをかなりの抜いた」と先行チーム9チームを追い抜いてきた。
「気合が入りすぎて飯村さんの背中を押してしまいました」は充実振りの証。
チーム順位を21位に上げた。
3区飯村は強風ときつい上りをベテランらしく上手にまとめ順位を1つ上げた。
「大舟さんから押されて気合が入りました」「風にも負けずに頑張れました」のコメントも清々しい。
4区はこの下りは昨年秋口後半より練習会に参加してきた高校生の伊勢地くん、
若干17歳の高校2年生。
「一度奥むさし駅伝に出て見たい」と志願してきた。
まだまだ発展途上の若さだが「同じ高校生を何人も抜きました」と同年代には激しい闘志を燃やす。
「来年は受験に専念するので出られないと思います」と真面目さも前面に出る。
大学進学後が楽しみな逸材。
チーム順位をキープし21位。
5区斉藤悟は昨年、壮年チームの代走として1区を走り、他の3チームから「速過ぎる」とひんしゅくを買った。
今回はそのスピードを買われてBチームの5区に昇格出走。
「不甲斐ない記録だったら家に入れないよ」(のろけたっぷりに)と新婚の奥様、智恵子さん(アトミの練習メンバー)から叱咤激励を受けての出場。
気合は二人分、走りも好調、前を行くチームを次々に捉える。
「4人抜かすことができ順位だけは下げないでよかったです」とコメント。
19番目で中継。
6区野口も昨年と同じ6区を走った。野口は去年ほどの力出ず。「人生の中で汚点です。
駅伝で5人も抜かれました」「カミさんをもらい、子供が出来て、
しかも家まで買って…アトミで走ることを忘れていました」(途中から「幸せ過ぎ!」とのヤジが入る)と練習不足を暴露。
「来年はAチームで区間賞に近いレベルで頑張りたい」とコメント。
きっといい走りをみせてくれることでしょう。
来年にご期待!チームは21番目でゴールテープを切った。
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<四つ巴チーム>
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激しい先着争い、「代々木公園RC」43位と「ATMシルバーズ」44位は壮絶なアンカー勝負、「代々木公園RC」が13秒差でかろうじて先着を果たした。
「原宿走友会」は手堅くつないで59位。
先着予想の本命の「代々木ベテランズ」は直前で若手二人を欠き先着争いから脱落。
それでも急造チームながら踏ん張り70位に。(以下、4チームの報告は「代々木ベテランズ」=ベテランズ、「代々木公園RC」=公園RC、「原宿走友会」=原宿、
ATMシルバーズ=シルバーズとして呼称する。)
43位 代々木公園RC 2時間26分00秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
距離 |
9886m |
5433m |
5080m |
4607m |
5294m |
9283m |
選手名 |
功刀達也 |
中沢政延 |
梨本忠三 |
加賀耕三郎 |
越田秀敏 |
中沢政延 |
中継記録 |
0:36:15 |
0:56:34 |
1:16:41 |
1:33:47 |
1:52:25 |
2:26:00 |
中継順位 |
60 |
45 |
48 |
47 |
43 |
43 |
区間記録 |
0:36:15 |
0:20:19 |
0:20:07 |
0:17:06 |
0:18:38 |
0:33:35 |
区間順位 |
60 |
34 |
50 |
50 |
40 |
53 |
44位 ATMシルバーズ 2時間26分13秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
距離 |
9886m |
5433m |
5080m |
4607m |
5294m |
9283m |
選手名 |
勝浦圭司 |
山川 寛 |
坂田浩之 |
金井 康 |
関田善作 |
福岡豊則 |
中継記録 |
0:35:25 |
0:54:54 |
1:15:14 |
1:32:17 |
1:52:14 |
2:26:13 |
中継順位 |
52 |
36 |
34 |
39 |
42 |
44 |
区間記録 |
0:35:25 |
0:19:29 |
0:20:20 |
0:17:03 |
0:19:57 |
0:33:59 |
区間順位 |
52 |
24 |
54 |
48 |
67 |
63 |
59位 原宿走友会 2時間31分09秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
距離 |
9886m |
5433m |
5080m |
4607m |
5294m |
9283m |
選手名 |
石井義之 |
中澤修平 |
高橋博之 |
伊藤君夫 |
本田美恵 |
中井康広 |
中継記録 |
0:37:19 |
0:59:00 |
1:19:35 |
1:37:07 |
1:57:37 |
2:31:09 |
中継順位 |
75 |
66 |
62 |
61 |
62 |
59 |
区間記録 |
0:37:19 |
0:21:41 |
0:20:35 |
0:17:32 |
0:20:30 |
0:33:32 |
区間順位 |
75 |
58 |
61 |
57 |
87 |
57 |
70位 代々木ベテランズ 2時間33分52秒
区間 |
1区 |
2区 |
3区 |
4区 |
5区 |
6区 |
距離 |
9886m |
5433m |
5080m |
4607m |
5294m |
9283m |
選手名 |
酒井健雄 |
篠原義雄 |
渡村恵子 |
柴崎康男 |
川名典雄 |
小川 望 |
中継記録 |
0:37:57 |
1:00:27 |
(1:19:57) |
(1:33:45) |
1:58:50 |
2:33:52 |
中継順位 |
84 |
84 |
(66) |
(58) |
68 |
70 |
区間記録 |
0:37:57 |
0:22:30 |
(0:19:30) |
(0:16:48) |
0:22:05 |
0:35:02 |
区間順位 |
84 |
79 |
(41) |
(41) |
109 |
77 |
( )は大会事務局の記録集計に誤りがあったので修正しました。
<1区>
いよいよ四つ巴の先着争いが始まった。
1区は「シルバーズ」はもっか好調の若手勝浦が飛び出した。
最近メキメキ上昇中。「公園RC」の自己新男、功刀も「カッちゃんに喰らいついて頑張りました」と50秒差で続く。
「原宿」石井はゴール後のビールを楽しみに、前を行く「功刀」に約1分差でタスキリレー。
本命「ベテランズ」は急遽1区代走を言い渡された酒井が大パニック、頭は真っ白、アップ不足も手伝ってか本調子にならない。
「石井」からさらに40秒近い差で2区に。(「ベテランズ」はスピードランナー竹内の欠場が響いた)
@「シルバーズ」52位A「公園RC」60位B「原宿」75位C「ベテランズ」84位
<2区>
2区では「シルバーズ」の代走山川がスピード違反の走りを見せた。
12月に手術、3ヶ月間は自重と医者の言いつけをモノともせず周囲がびっくりするほどの急回復ぶり。
10年前の山登りスペシャリストは本能の命ずるまま走りきった。
追走する「公園RC」に1分40秒、「原宿」には4分近く、「ベテランズ」にも5分近い差をつけた。
この区間を終えた時点では「シルバーズ」に逃げ切りムードが濃厚に漂っていた。
ただ、ここで諦めないのが「公園RC」の中沢政延。山川には50秒近く開けられたものの差を最小限に留め、
このあと2回目の走りをするアンカー区間では逆転ドラマを演出する。(このことはあとで触れる)
「原宿」中澤修平は強風と上りのこの区間、膝痛を押して踏ん張る。
前傾して風に立ち向かうさまは求道者の姿を思わせる。
「ベテランズ」の篠原は「昨年故障をしてしまい、まだ満足のいく走りは出来ませんが春に向けて復活を果たしたい」とあとでコメントがあった。
今年は回復途上の身、無理せず前のチームを行かせ隠し玉渡村に後を託した。
@「シルバーズ」36位A「公園RC」45位B「原宿」66位C「ベテランズ」84位
<3区>
この区間では4チームの順位に入れ替わりはなかったが、区間の中ではタイム差に異変が起こりつつあった。
順位どおり「シルバーズ」が逃げた。「こんなに早くタスキを受け取るとは…」と坂田は予想外の先着に戸惑い気味。
坂田は長身を生かして前走者2人の貯金をあまり使うことなく長い脚を生かし、ゆうゆう先着。
坂田の気合は前日に遡る。前日の土曜日にコースの下見をキッチリし自分のコースを予習していた。
予習が功を奏した。
「公園RC」の梨本も故障が癒え自分の好きな登りコースを何とか無難に走りきった。
坂田をとの差を13秒ほど詰めた。がそれでも前行く「シルバーズ」の姿は見えない。
「原宿」の高橋(博)は若干ながら離された。「走れなかった。情けない。もう少し走れなければ…」と悔しがることしきり。
12月の走りこみ不足が走りに出た。それでも総合の順位を4番上げてゴール。
「ベテランンズ」の渡村は上りと風のこの区間、女性だけにきついのではと心配する声もあった。
が、いまや絶好調、「シルバーズ」を急追50秒縮め、勝負になる形を作りつつあった。
この時点で@「シルバーズ」34位A「公園RC」48位(1分27秒差)B「原宿」62位(4分21秒差)C「ベテランズ」84位(4分43秒差)
<4区>
4区は力が拮抗していた。「シルバーズ」の金井は軽快なピッチで坂を駆け下りる。
「公園RC」の加賀の追撃を交わし、さらに差を3秒広げた。
「公園RC」の加賀も精一杯追い上げを見せたが先行金井の姿が見えない分ロスした。
「せめて前に姿が見えれば…」。
「原宿」の伊藤君夫、神経痛を押しての出場。
やや脚を引きずっての走りに心配の声も出たが「メンバーに迷惑をかけない走りを心がけた」というあたり老練さが窺えた。
追い詰めムードの「ベテランズ」柴崎は昨年のこの大会、途中の駅まで来ながら高熱を発し出場を断念した。
その柴崎が今年にかけた。
渡村の勢いをそのままに「シルバーズ」との差をジリジリ詰め、終盤「原宿」伊藤(君)を交わし全体の順位も押し上げた。
ここでの順位と差は@「シルバーズ」39位A「公園RC」47位(1分30秒差)B「ベテランズ」58位(4分28秒差)
C「原宿」61位(4分50秒差)
<5区>
「シルバーズ」は関田が走った。
「まさか4チームの内、トップでくるまい」とのんびりムードの関田。中継点で4区金井の姿を見て慌てた。
すぐにコースに出たものの数秒のロスは否めない。
思ってもみなかった展開に関田は追撃チームの存在を意識しすぎてか脚が伸びない。
「公園RC」の越田は逆に目一杯の走り。酒好きの越田が「前日はアルコールを断った」というからすごい気合の入れようだ。
前半は見えない「シルバーズ」関田の後を追った。
中継では1分27秒あった差が後半に入って一気に詰まりはじめた。
6区の中継点近くでは関田の姿が大きくなってきた。
タスキ受け渡しの時間差は11秒に。越田のこの走りでレース展開が俄然面白くなってきた。
(「シルバーズ」と「公園RC」はアンカー同士のマッチレースになった。)一方「原宿」5区には本田美恵のタスキ姿があった。
昨年末からの色々な事での心労に加え練習不足もあったに違いないが、メンバーにそれを感じさせない走りを見せた。
「頑張れ美恵ちゃん!」の声が付き添いから飛んだ。
「ベテランズ」5区は前日に代走をお願いした川名。
事務局からは「タイムは問わない、タスキを繋ぐ走りを心がけてもらえればそれでいい」と云われ練習不足ながら心臓を全開にして走った。
川名と本田は中継点中盤で入れ替わった。
@「シルバーズ」42位A「公園RC」43位(11秒差)B「原宿」62位(5分23秒差)C「ベテランズ」68位(6分36秒差)
<最終6区>
「シルバーズ」福岡は5区関田のゼッケン番号『「148」の呼び出しが聞こえなかった』という(「福爺は最近耳まで遠くなったのか」と自分のことを棚に上げて関田は思った)。
関田が中継100m手前まで来ても中継に福岡の姿はない。
やや後ろを見ると誰かが関田を追っている。
まだジャージーを着たままの福岡が関田を追っているのだ。
中継点ではタスキとジャージーの物々交換が成立し、どうにか受け渡しは間に合った。
この光景に目を奪われたのは「公園RC」中沢(政)。
自チームの5区越田が近づいているのに気がつかず、あ然としていたという。
ここでまたタスキリレーにミスが起きるところだったが何とか無事中継。
いよいよ中沢の「福爺」追撃が始まった。およそ50m
先に「シルバーズ」福岡の姿が見える。
「さっき2区を走ったばかりなので無理はすまい」と気持ちの昂ぶりを押さえ、後半までじっくり追い上げる戦法にでた。
いっぽう逃げる福岡は中沢の存在に気付かない。
中沢が並びかけたのは残り2k付近。
一気に抜きたい中沢と必死に喰らいつく62歳福岡のデッドヒートが続いた。
が最後は若さに勝る中沢が13秒差で逃げ切った。
2区間を走りきった中沢の顔には先着の笑顔はない。
どっと出る疲れにため息が漏れた。
続いて「原宿」中井がタイム差を縮めるべく4チームトップのタイムでゴールしてきた。
タイム差がかなりあったので追撃は及ばなかった。
中井は「来年はアンカーのようなきつい区間ではなくもっと楽な区間で走りたい」とコメント。
だがこのアトミには楽な区間などひとつもないのだ。
中井はおよそ5分差でゴールをする。
先着の本命チーム「ベテランズ」の小川望が中継の順番を待つ間、係りの人間が繰り上げの白タスキの準備を始めた。
小川はもうてっきり白タスキかと観念したという。
だが小川が中継所を出てから6分後に白タスキ集団が出て行った。
心配は要らなかったのだ。クラブが奥武蔵駅伝に出始めておよそ20年、白タスキによる繰上げは一度もない。
小川は先行3チームには遅れをとっているものの長いアンカーコースを必死に走った。
先にも触れたが「ベテランズ」は若さとスピードを兼ね備えた1区竹内、5区菅原(淳)の欠場が響いた。
この二人が加わっていれば当然先着争いのトップにいたかも…
最終成績
@「公園RC」43位
A「シルバーズ」44位(13秒差)
B「原宿」62位(5分09秒差)
C「ベテランズ」68位(7分52秒差)
ことしの4チームの先着争いは終わった。
さて来年はこの4チームにどんなドラマが待ち受けているやら。
<大会エピソード集>
@関田&福岡の珍リレー(小賀田コメント)
前述のように「シルバーズ」5区と6区の中継で前代未聞の珍事が起こった。
付き添い小賀田さんのコメントはこうだ。
「…「シルバーズ」はアンカーの福岡さんが中継地点にいなくて関田さん(5区)がそのまま走っていくのではとハラハラしました。
中継点まで後から追う福岡さんが羽織っていたジャージーを関田さんに、関田さんが替わりにタスキを福岡さんに、
タスキの渡し方であんなに楽しい光景を見たのははじめて…」周りから見るとほんとうに滑稽に映ったかもネ…♪
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A中沢政延さん、ごくろうさま。
「奥むさし」の駅伝で1人が2区間を走るのはここ15年くらいなかったこと(わがクラブでは)。
2区から3区を走り、そして6区中継点に移動、またまたアンカー区間を走る。
「2区と6区を走った中沢です。まさか本当に2回走るとは思わなかった。
2区では15人位は抜いたと思う、2区は楽しかった。でも疲れたぁ〜!」
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Bお寝坊竹ちゃんマン
1区のスタートは9時。確認の集合時間は8時前、参加メンバーの中に「ベテランズ」1区走者の竹内の顔がない。
あわてたたっくんこと酒井拓磨くんが自宅に電話。
携帯を鳴らしても出ない。家の人にたのんで部屋を覗いてもらう。
と、どうだろうご当人はまだ布団の中。
「前日は興奮してなかなか寝付けず気がついたら8時でした。
夢の中ではスタート台に立っていたのに…」竹内はこの後すぐに自宅の浦安から飯能に駆けつけた。
ペコペコ頭を下げる竹ちゃんに皆微笑えむばかり。
最後に竹ちゃんからのコメント「来年はAチームで走りたい」あれっ?大物竹ちゃんマンでした。
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Cあれれっ、中里くん
「紹介します。噂の○○です。
10年後くらいにはいい報告ができるようにしたいと…」このコメントは中里くんの応援にきた高校生のお嬢さんを紹介したときのものです。
司会から「今日の走りは」と聞かれたにもかかわらず彼女の紹介に終始していました。
(「何の報告だい!」とやっかみのヤジが飛んだのはいうまでもありません)
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D超人山川選手
つい1ヶ月半前 腹部の手術でしばらくは安静、自重と医者からから申し渡されていた山川。
この時点で「織田Fクラブ」のアンカーは無理と辞退していたが退院後からジョグを開始。
「4つ巴チームの何処かに穴が空けば補欠としてほどほどに走ります」。
「ほどほど」の意味は「無理をしない」と理解していた事務局Z。
後で走った結果を聞いて唖然。
「ストップウオッチを押さなかったので分かりませんが高畑君には負けたと思います」
山川の頭にはAの高畑、織田の大舟とのタイム差しかなかったのだ。
この強靭的な回復力をなんと形容してよいものやら。とほほ…
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E森さんは力持ち
しかし「移動の荷物は重かった」いつも世話役を務めていただいている森さんからコメント「…苦労したのは1区の付き添いが少なくて荷物を運ぶのが大変でした。
ほかのチームからの手伝いを借りてスタートからゴール位置まで1区と6区の荷物12人分を移動しました。
あ〜しんどかった。」(森さん、来年は1区の付き添い力持ちに沢山きていただきましょう。
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<記録整理>
森 義昭
<新年会のコメント筆記>
袴田悦子
<構成>
関田善作
当日は早朝から寒い中を多くの付き添いの方に選手をサポートしていただきました。
どうもありがとうございました。おかげ様で出場選手は思い切り走る事ができました。
<付き添い、応援の方々>
森義昭さん、小賀田和美さん、若松宏一さん、高橋玄太さん、粕谷達さん
三浦勝男さん、毛塚敏男さん、袴田悦子さん、小澤浩子さん、西部京子さん
安部直美さんたちでした。
おっと中里君の彼女を落とす所だった
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