アトミクラブ
2000年東日本縦断駅伝報告



【青東駅伝 第2日目 八戸−盛岡(147.2q) 10月29日】

第11区 軽米−観音林(9.5q)
チーム 選手名 記録 区間順位
千 葉 栗田浩一 31分05秒 区間3位
神奈川 中井 明 31分17秒 区間4位

第12区 観音林−二戸(13.1q)
チーム 選手名 記録 区間順位
新 潟 島田博行 41分56秒 区間15位

第18区 渋民−玉山(8.5q)
チーム 選手名 記録 区間順位
千 葉 山口正春 27分26秒 区間8位


【青東駅伝 第3日目 盛岡−一関(113.1q)10月30日】

第26区 水沢−平泉(13.0q)
チーム 選手名 記録 区間順位
千 葉 根本 渉 40分12秒 区間3位


【青東駅伝 第5日目 仙台−郡山(136.6q)11月1日】

第36区 名取−柴田(17.9q)
チーム 選手名 記録 区間順位
神奈川 中井 明 57分26秒 区間15位

第37区 柴田−大河原(9.8q)
チーム 選手名 記録 区間順位
千 葉 山口 正春 31分25秒 区間15位

第38区 大河原−白石(12.9q)
チーム 選手名 記録 区間順位
新 潟 島田 博行 41分33秒 区間16位

第39区 白石−国見(14.7q)
チーム 選手名 記録 区間順位
千 葉 栗田 浩一 45分14秒 区間3位

第41区 福島−松川(13.9q))
チーム 選手名 記録 区間順位
千 葉 根本 渉 44分49秒 区間4位


【青東駅伝第7日 宇都宮−大手町(112.7q) 11月3日】

第56区 小山−古河(14.5q)
チーム 選手名 記録 区間順位
千 葉 栗田 浩一 43分59秒 区間3位

第57区 古河−幸手(14.8q)
チーム 選手名 記録 区間順位
千 葉 根本 渉 43分50秒 区間4位

第61区 鹿浜−大手町(12.3q)
チーム 選手名 記録 区間順位
神奈川 中井 明 38分25秒 区間8位


栗田浩一選手 中継所「同僚の支えで苦難乗り越え」
10月31日 読売新聞東日本版夕刊

2日目の11区。 トップを独走する埼玉を追って、千葉の栗田浩一(千葉陸協)は、茨城、神奈川と激しい2位争いを演じていた。 この一年間で失った様々なものを、そして、支えてくれた青・東の同僚を思いながら…。 実業団とともに千葉を支える市民ランナー。
出場7回目のベテランは昨年12月、父を亡くす不幸に見舞われた。 そして、青・東が終わる11月には、現在勤務するタイヤ製造販売会社が業務の縮小するためリストラされる。 多くを失うことで崩れそうになる自分を、しかし、青・東を通じて知り合った同じ市民ランナーの根本渉(NEC我孫子)と山口正春(安房陸走会)が支えてくれた。 土、日には都内や千葉県内でともに練習に励む。
2人は父のことも会社のことも知っていて、「あまり落ち込まないように、さりげなく気をつかってくれる」という。
激しい競り合いを終え、栗田は区間3位の好走でたすきをつないだ。 「自分が3人の中で最初だったので、良ければ後から走る2人につながるかなと、思い切って走った。」同じ日の18区を走った山口は区間8位。 3日目の26区では、根本が区間3位と意地を見せた。
あす5日目は3人がそろって出場、栗田から根本へたすきリレーも行われる予定だ。


山口正春選手 たすき「普通のおじさん」力走
10月30日 読売新聞千葉京葉版

この日最短区間、8・5キロの18区に出場。若い選手に交じって、中間点を先頭集団の一人となって通過した。 大会通算7回目のベテラン市民ランナー。
昨年はシニア枠に今回主将を務めた福島正選手(富士通)が入ったため、代表メンバーから外れた。 「しかたないですよ」と話す笑顔は、どこにでもいる「普通のおじさん」。
普段は仕事を終えてからの練習になるため、起伏のある18区は、練習では経験できないというハンデがあった。 それもあって、レース前には「自分のペースで走ろうと思います」と欲のない言葉が出た。
しかし、先頭集団に交じって走る姿は、走ることの好きな「おじさん」の顔から、「アスリート」の顔に変わっていた。 中盤過ぎに先頭から離されたが、区間8位に食い込む力走。 精一杯やりました」と笑顔で語った。


根本 渉選手 たすき「スパートかけ、たすきつなぐ」
11月2日 読売新聞千葉京葉版

繰り上げスタートの時間が迫っていた。 200m先の中継点には、繰り上げ用の灰色のたすきをかけた次走者が待っていた。
たすきを渡せなかった1昨年の記憶が脳裏をよぎった。 「なぜか、気分が乗らなかった」。
今年の6月、練習に熱が入らない日が続いた。 しかし、同じチームの栗田浩一選手(千葉陸橋)からメールが届いた。 「もう1回、一緒に青・東に行こう」とあった。
栗田選手とは、週1回、一緒に練習する市民ランナー仲間だ。 不調を気に掛けた栗田選手のメールに刺激され、「今回はきちんとたすきをつなぎたい」と、再び青・東を目指した。 職場の仲間が昼休みに練習する姿にも励まされ、7月から練習を再開した。
この日、最後のスパートで、繰り上げ18秒前にたすきをつないだ。 前走者までの遅れを取り戻す区間4位の快走。 「一仕事出来ました」と相好を崩した。


アンカーとして活躍した中井 明選手 29(IHI)
「最後に見せた粘り」11月4日 読売新聞神奈川版

2日目の11区で区間4位の快走を見せながら、5日目の36区で15位と大ブレーキ。
3本目の最終日にはアンカーを任されることになっていたが、「こんな走りでは外されてもしようがない…………」と思っていた。 選手の調子を見て、5日目からオーダーを組み替えてきた関口一雄総監督も「今の中井の走りでは…」と一時はアンカーの変更が頭を横切った。
しかし、どうしても納得がいかなかった。 その夜、「アンカーを走らせてください」と総監督に直訴、熱意が買われてアンカーに指名された。 「神奈川頑張れ」という沿道の観衆の声援と、見守っていた監督陣の「粘りを見せろ」という檄が足を前に進ませた。
結果は区間8位。 東京・大手町ゴール前。左手を大きく開いて掲げた。 「5位を守り抜いたというアピールです」。 不屈のランナーが最後の意地を見せた瞬間だった。


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