アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その7
呉越同舟(ごえつどうしゅう)

 ちょっと、ややこしいですか?       
呉も越も中国春秋時代の国名。紀元前5世紀にあった呉王の夫差(ふさ)と越王の句践(こうせん=勾践)の故事は、既にRUNNER's四字熟語その4「臥薪嘗胆」に記した。
『孫子』九地篇に「夫呉人与越人相悪也、当其同舟而済遇風、其相救也、如左右手。」とある。
「夫れ(それ)呉人(ごひと)と越人(えつひと)とは相悪む(あひにくむ)も、其の舟を同じくして済り(わたり)て風に遇ふ(あふ)に当たりては、其の相救ふこと、左右の手のごとし。」と訓読する。
呉の国の人と越の国の人のように敵対し仲が悪い者同士でも、たまたま同じ舟で川を渡る途中、大風に遭遇したような場合には、あたかも左右の手が補完し合うように、お互いに助け合うものである。」の意。
「同舟相救う」や「舟を同じくして江を済る(わたる)」も同義。

 さて、ランナーのあなた、
呉も越も、共に長江(揚子江)下流域南方に展開した国家です。
限られたフィールドで、国家存亡をかけた戦いを余儀なくされた両国の兵達は、お互いに憎み合い戦うしか無かったのでしょうが、それでも、交通手段として河川を舟で渡る際に乗り合わすこともあり、不時危急の折には協力して事に当たったと言うことです。
 ランナーの場合には、憎み合う必然はありません。 戦争に駆り出されて命を賭して戦うわけではありません。 競走する相手とライバル心は持っても、お互いがマナーやモラルを逸脱しなければ、最悪の人間関係に陥ることはありません。 レースとなれば競り合い対抗心を燃やす相手でも、仲間であって仇敵ではないのです。
 アトミクラブに集まってくるランナー達は、ほとんど皆、別のチームにも所属しています。 AT、KR、Ko、SY、RS、Nr、Po、TC、De、Ka、TP、TB、Ji、OE、Ts、Ss、‥‥、企業クラブや地域の走友会などに属しつつも、木曜日ごとに織田フィールドに集まって一緒に練習している仲間達です。
駅伝などでは、普段の所属チームの襷で出場することがあり、中継点に集合したら何人ものアトミクラブの仲間がそれぞれのチームゼッケンを胸に集まっていたなどという経験があると思います。
時に、レースでは勝負をかけて熾烈に競い争う者同士が、同じ環境条件の下に、同じ目的で同じ場で時を同じくして高め合う、そのような「呉越同舟」も有って良いのではないでしょうか。 呉や越の兵士ならぬ、多くのチームに所属するランナーが、共通の目的を持って集まる場「織田フィールド」は、自らの走力を高めるため、より良い練習環境を得るため、まさに練習の場としての「舟」なのです。 ランナー版「呉越同舟」、付会牽強でしょうか。


「呉越同舟」は、仲の悪いもの同士が同じ船に乗り合わすこと。 また同じ場所に居合わすこと。 また、状況により敵同士が手を携えて問題解決に当たること。

@敵対するもの同士、仲の悪いもの同士が、お互いに不可避の状況で同じ場所や境遇に居合わすこと。
A立場・感情を異にし敵意を抱き合う者でも、共通の利害・目的・困難に対しては協力して立ち向かうこと。

Kang(1)記

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