アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その47
豪放磊落(ごうほうらいらく)

 ちょっと、ややこしいですか?
「豪」は並外れて大らかなこと。大まかなこと。
「放」は解き放たれ気ままなこと。自由なこと。
「豪放」で、小さなことにこだわらない太っ腹な性格。豪胆で放逸なさま。
「豪宕(ごうとう)」「豪蕩(ごうとう)」も同義。
「豪放」は地方によって、大きく量が多いさま、無骨で怒りっぽいさまの意を含むことがある。
因みに「豪」には「やまあらし」の訓がある。
「磊(?)」は石が沢山集まり重なっていること。
「落」は枯れおちるさま。地に転がるさま。
「磊落」「?落(らいらく)」で、地面に石が沢山ゴロゴロ転がっているさま。
山が高く険しい様子。転じて、性格的にさっぱりして心が広いさま。
気持ちが大きく些細なことに囚われないさま。心が大らかで細かく小さなことにはこだわらないさま。
「磊磊落落」・「??落落」同義。また、果実や岩石が多く詰まっている様子。
「豪放磊落」は豪胆放逸で細事にはこだわらないこと。気が大きく朗らかで小事に囚われないこと。小事に煩わされず心が広いこと。
対義に近い四字熟語に、「気が小さくて絶えず周囲を気に掛け何かにおびえるさま」の意に用いられる「小心翼々」がある。
但し、この熟語は「小事・細事にまで気を配り、慎み深くするさま」「用心深く、恭しいさま」「小さな事にも目配りや気配りをして、慎重であるさま」が原義。

 さて、ランナーのあなた、
フルマラソンでは小心翼々と豪放磊落の両方の要素が必要なようです。 節々の細かいことにまで気を配る慎重さと、小さな事に惑わされることなく歩を進める大らかさとのバランスが上手く取れるかどうかで、結果が全く違ってくるように思われます。 臆病すぎたり、ただ威勢が良いだけだったりでは、DNF(Don't Finish)を招くことになりかねません。
気象条件はひとまず措くとして、体調を含めてレース日の自分の走力は、それまでの練習次第です。 練習以上の結果は望めません。レースに備えて十分な走り込みと適度な休養があれば、フルのフィニッシュは目標タイムの±5分以内で迎えられるはずです。 走り込みの出来たランナーなら、その精度はより高くなり±2〜3分でしょうか。
まあまあの体調でありながら大崩れするとしたら、変に記録を意識して逸ったり、変に競り合いを繰り返して消耗したり、変に慎重になって遅いペースに合わせる内にリズムを崩したり、 変に焦ってコース取りを左右にして負担を足腰に溜めていたり、等々の場合が考えられます。 いずれも、もっと大らかに構えて走れば良いところを、精神面でのバランスを崩した結果、実力を発揮できなくなる典型です。
 私たちは、プロの選手ではありません。実業団の選手でもありません。 仕事を持ち、社会人として生活しながら、走ることに喜びと目標と張りを持つ一般市民のランナーです。 記録至上主義で仕事に支障を来すようでは市民ランナーの名折れというものです。 アトミクラブは、国体選手やオリンピック選手を目指すランナーのチームではありません。 20歳もいれば、40歳、60歳もいます。70を過ぎてなお意気軒昂なメンバーがいます。 5000mを15分のメンバーもいれば、18分、20分、23分のメンバーもいます。 メンバー一人ひとりが、その時点での自己の限界を目指してランニングを楽しみ、走る意欲を互いに支え合うクラブです。 どのペースでも、その日の自分に合った仲間がいます。
 イーブンペースを守る、体幹を真っ直ぐに保つ、重心をやや前に置いて推進力を維持する、集団走では左右前後にいたずらに位置を移さない、 冷静に自分のペースを見極めて走る、併走するなら安定したリズムのランナーを選ぶ、苦しくなってもそこをやり過ごす粘りを持つ、 筋肉や呼吸の状態から疲労度を推し量る、走りきる勇気をふるう、等々、細心の注意をはらって自分の走りを客観視することは、目標を果たす上での必須要件です。
豪放磊落なだけでフルやウルトラを走りきるのは難しそうです。 充実の気力、決断する力、大きな度胸を持ちながら、細心の注意を払ってゴールに向かうということであれば 、RUNNER's四字熟語に相応しいのは、「胆大心小(たんだいしんしょう)」の方かもしれません。


太っ腹で小さなことにこだわらず快活な様子。
気が大きく朗らかで小事を気に掛けないこと。
気力・度胸・決断力が備わり細かな物事にこだわらず明るいこと。

Kang記

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