アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その40
切磋琢磨(せっさたくま)

 ちょっと、ややこしいですか?
「切」は骨に細かな加工をすること。オノで刻みカタナで切る。
「磋(瑳)」は角や象牙を細かく加工すること。ヤスリで研ぐ。
「切磋」で、骨角に美しい細工を施す意。
「琢」は玉を細かく加工すること。ツチで打ちノミで穿つ。
「磨」は石に細かい加工をすること。砂や沙石で磨く。
「琢磨」で、玉石を美しく細工する意。
中国最古の詩集である『詩経』衛風に「如切如磋如琢如磨(切するがごとく磋するがごとく琢するがごとく磨するがごとし)」とある。
紀元前5世紀から人口に膾炙する熟語。
「切磋琢磨」は、切り刻み磨き上げて細工する意から、学問・道徳・技芸などを磨き上げることの意に用いられ、『大学』に「如切如磋者道学(切するがごとく磋するがごとしとは学を道ふ、如琢如磨者自修也(琢するがごとく磨するがごとしとは自ら修むるなり)」と解説がある。
仲間同士戒め合い、磨き合い、励まし合い、人間的向上を目指すこと。
玉石を切り磨くように学問・道徳などに勉め励んでやまないこと。
また、友人同士互いに励まし合って学徳などを研くこと。

 さて、ランナーのあなた、
いくら走ることが好きでも、いつも一人で走るのではつまりませんね。
仲間がいるからこそ走る励みとなり、続けることが苦ではなくなります。
ランニングに刺激が加わり、工夫や幅が生まれます。
練習に臨み走る前から順位が決まってしまっている集まりでなく、老若男女、より多くの仲間が一緒に集い練習すると、速い遅いだけの価値観ではなく、継続の姿・努力の様を別の角度で観られるようになります。
アトミクラブの練習は、正にその典型です。
メニューに基づいて走ること、安全に留意すること、喧嘩は御法度という最低限のルールはありますが、限られた時間を惜しむ練習を行っています。
社会人として勤めを全うしつつも個々に日々の練習を積み、週に1度は織田フィールド等に会して市民ランナー同士で競い合い、励まし合い、磨き合い、認め合って練習を重ねています。
共鳴や共感もまた代え難い磨き砂になります。
ランニングによる切磋琢磨が自分の視界を啓き人間性を高めてくれることは大きな魅力です。
 「第25回ランナーズ大賞」をアトミクラブが受賞することになりました。
「市民ランニングの普及、発展に貢献した人物・団体などを表彰する」賞で、アールビーズスポーツ財団が運営しています。
過去には、アトミクラブと縁がある松田千枝さん・李正順さん・星野芳美さん、アキレストラックジャパンなどが受賞しています。
去年は鈴木邦雄さんも受賞しました。この賞の受賞決定は、間もなく30周年を迎えるアトミクラブにとって嬉しいご褒美です。
アトミクラブは、ランニングの価値をスピード第一、勝負第一に置くことはありません。
競技者としては速いに越したことはありませんが、速いこと、勝つことのみを誇りと考えるクラブとは、趣を異にしています。
健康に、長く走り続けることも立派な価値です。20歳代前半から70歳代後半までのランナーが、自分に相応しい練習グループで走っています。
その日の自分に適した練習が存分にできるクラブは多くありません。
「東京マラソン」が始まってマラソン人口の底辺は広がりましたが、年齢・性別を問わず自分の走力に合った仲間と走ることができる場は限られているのが実状です。
 その点、アトミクラブは恵まれています。
オリンピックやパラリンピックやデフレンピックに出たメンバーも、実業団で走っていたメンバーもいます。
厄年を過ぎて走り始めたランナーもいます。
アールビーズ社の「フルマラソン1歳刻みランキング」で100傑に名を連ねるランナーが、男女を問わず各年齢に何人もいます。
これからも、社会を担う一員として働きながら、自分の人生と生計を保ちつつ、時間を見つけては走って身体を鍛え、心を鍛え、仲間と共に切磋琢磨して参りましょう。


学問・道徳を練り磨くこと。怠ることなく努力すること。
学問や道徳を磨き修めること。友同士が励まし合うこと。
石や玉を擦り磨くように、学問・技芸に励み修錬す ること。
⇒徳を修め学を成しても、さらに修養精錬を積まねばならぬ喩え。
Kang(1)記

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