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RUNNER's四字熟語 その4 臥薪嘗胆(がしんしょうたん) |
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ちょっと、ややこしいですか?
「臥」は、伏す、寝る、横になる、横たわる、休むなどの意。
「薪」はたきぎ。
「嘗」は、曾て(かつて)の訓もあるが、ここでは、舐める、舌で味わうの意。
「胆」は胆嚢で、苦い胆汁を出す「きも」。
胆汁を含んだまま乾かした熊胆(ゆうたん=くまのい)を言うことが多い。
「臥薪嘗胆」の訓読は、「薪に臥し胆を嘗む」(たきぎに ふし きもを なむ)。
復讐の気持ちを忘れないための手段として、昔の中国では、薪のベットに寝た王もいれば、苦い胆を舐め続けた王もいた。
さて、ランナーのあなた、
あなたはどこまで勝負に執着を持っていますか。
勝負へのこだわりは、実際のレースの場だけとは限りません。
練習の段階から始まっていることです。
来年2月18日の東京マラソン、当選した人はもうランニングスケジュールを立てて練習に取り組みはじめたことでしょう。
先ずは、十分な走り込みにより体づくりをし、心肺機能を高め筋持久力の強化を図りますね。
次にはペース走を入れて自分に最適なマラソンペースを身に付けるための練習をします。
そして難しいのが、レース前の調整です。
練習量を落として疲労を抜く必要がありますが、体力・走力まで落としてしまっては完走さえ危うくなります。
自分の体調を最高の状態に仕上げてレースに向かうことが理想ですが、不安になるとついつい練習過多に陥って自滅しかねません。
レースに備えるこの長い練習こそ、正に薪に伏し、胆を舐める期間です。
克つためには、ゴツゴツの寝床やニガイ熊胆に相当するような辛く苦しい練習が不可欠となりますから、知らず識らず手を抜いたり、挫けそうになることもあるでしょう。
そのような時に励みとなり頼りとなるのは、普段から共に競い合い一緒に練習しているアトミの仲間たちですね。
『史記』や『呉越春秋』にある故事から出た熟語。
中国の春秋時代、戦いで父を亡くした呉王の夫差(ふさ)が薪を寝床として復讐の気持ちを掻き立て、
ついに仇敵の句 践(こうせん=勾践)を会稽山で破ったことと、戦いに敗れ捕らわれた越王の句践もまたその屈辱を忘れないために朝な夕な苦い肝を舐めて復讐の誓いを新たにし、
つい に呉を滅亡させたことに依る。
ちなみに、『呉越春秋』の「春秋」は歴史の意。
越王句践が、会稽山での恥を忘れずに呉を滅ぼしたことから、
「会稽の辱を雪ぐ(かいけいのはぢをすすぐ)」や「雪辱(せつじょく=はぢ を すすぐ)」の語句も派生。
「雪」の読みは名詞「ゆき」だけではない。「洗い流し清める」字義を持つことから、 動詞としては「すすぐ」と訓む。
⇒復讐の心を忘れずに長年苦労すること。目的達成のために長い間つらい努力をすること。
自分の身を苦しめて心を奮い立たせること。
Kang(1)記
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