アトミクラブ
RUNNER's四字熟語その37
春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)


 ちょっと、ややこしいですか?
「春風」は「春の風」だが、「春に吹く風」だけの意ではない。
春の風は暖かく和らぎを感ずることから「恩恵が深いこと」や「穏やかな人物」の喩えとしても用いられる。
また、春の風は万物の芽生え・育成に関わることから「人を教育すること」の喩えにも使われてきた。
良い教育環境にあることを、「如坐春風之中(春風の中に坐するがごとし)」という。
「駘蕩」は「広く大きいさま」、「春景色の長閑なさま」、「春ののどやかなさま」「のびのびとして広やかなさま」。
「春風駘蕩」で、春の風がのどやかに吹くさま、人の態度や性格がのんびりとして温和なさま、その場の雰囲気が穏やかでのんびりしているさま、人柄がのんびりして温和なこと。

 さて、ランナーのあなた、
新緑がまぶしい爽やかな季節になりました。
風に流れ散る桜花を惜しんだのも束の間、今は紅白のハナミズキが目を楽しませています。
ケヤキの芽やクヌギの葉が柔らかな若緑色に変わってきました。ニセアカシアの新芽や藤の若芽が伸び始めています。
寒からず、暑からず、軽装で外を走るにはもってこいの時季を迎えましたね。
あなたは、爽やかに春風を感じながら走っていますか。
室内でランニングマシンを相手にペースを刻むより、外に出て山野を行き、クロスカントリー様の走りを味わいたいものです。
のんびりと春の恵みを感じ取る爽快があります。春風が走力を育ててくれます。
この連休に高尾・陣馬往復を予定したり、菅平や霧ヶ峰、清里、富士見、北杜などに足を伸ばすランナーも多いと思います。
青葉若葉を愛でながらの山林ラン、鳥の囀りを耳にし、せせらぎの音を聞く走り、何と贅沢なことでしょう。
尾根で立ち止まり、西には富士の高嶺を遠望し、東は眼下に広がる都心部の先に東京スカイツリーを探すのも一興です。
春まだ浅い標高1800m級のビーナスラインを延々と行くのも魅力です。
南に富士、北に八ヶ岳、東に茅ヶ岳、西に甲斐駒ヶ岳などという絶景地に入ると思わず足を止め、見惚れてしまいます。
足元の草花も春を彩っています。
記録を求めて競うのも可、限界を求めて走るのも可、長い距離を黙々と独りで走るのも可、走友との語らいを楽しみ走るのも可ですが、この季節に相応しい贅沢があります。
春風を感じつつ、草がはびこる前の野山を飄々と駆け抜ける清々しさは、今の時季ならではのものです。
ランニングにも季相応、年相応、人相応の楽しみがあるようです。
好んで走る魅力、楽しんで走る魅力を満喫しましょう。
 目には青葉 山ほととぎす 初がつを---素堂(『あら野』)
走った後は初鰹をつまみに仲間と一杯、これも良いですね。
私などはこれが止められません


春の風がのどかに吹くさま。のんびりとして温和な人柄。
穏やかなひととなり。恩恵を浴びて伸び伸びと育つさま。
穏やかで伸びやかな雰囲気。
Kang(1)記

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