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RUNNER's四字熟語 その36 紆余曲折(うよきょくせつ) |
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ちょっと、ややこしいですか?
「紆」は「まがる」「まげる」の意で、弓なりに曲がること。遠回りであるさま。
また、実際に則さないさま。
「余」は通常「あまる」「あます」の意だが、「紆余(餘)」と用いて、曲がりくねること。
回りくどく解りづらいこと、遠回りであること。
「曲行紆余」で、水が折れ曲がって流れるさま。
「紆余」にはまた、才気や文章に含み深みがあり余裕のあるさまの意がある。
「紆(迂)回」で、回り道をすること。
「紆(迂)路」で、回り道。
「迂闊」で、実情に適さないこと。
なお、「うっかり」や「不注意」の意での用い方は日本語特有のもの。
「曲」は「まがる」「まげる」の意。「紆 曲」で、曲がりくねっていること。
また、そのさま。「折」は「おれる」「おる」の意。「曲折」で、折れ曲がっていること。
また、そのさま。筋道が入り組んでいて変化が多いこと。
「紆餘曲折」「迂余曲折」とも。
さて、ランナーのあなた、
フルマラソンは、練習しなければ完走を果たすことはできません。
確かに、完走率は練習量に比例して高くなりますが、タイムまでが順調に向上するとは限りません。
順位も、走ってみなければ判らないことです。
持ちタイム順とはなりません。
「その日の体調」「当日の天候」「併走者の運」など、思うようには進みません。
「克己心の強さ」もレース状況によって一人ひとり刻々違ってきます。
「僅かな気負い」が硬さを招き、足の運びを鈍らせます。
給水ができなかっただけでも精神面に影響が出て、走る気力が削がれるのです。
レース中であっても紆余曲折は生じてきます。
2月26日の東京マラソン2012を前に、朝日新聞に山中孝一郎さんが週末に都内の公園で、
川内優輝選手と一緒に練習を続けていることが、市民ランナーが「仲間と五輪へ駆ける」の見出しで掲載されていました。
山中さんの笑顔が素敵でした。
川内選手は昨年来、2:08:37(東京3位)、2:16:11(世界陸上大邱18位)、2:14:31(大阪4位)、
2:09:57(福岡3位)、2:12:33(防府2位)と抜群の走力を発揮してきました。
「走らずに後悔するより、走って後悔する方が良い」と、今夏のロンドン五輪代表の座と2時間07分台のタイムを狙って、東京マラソンにも挑戦しました。
結果は、2:12:51(東京14位)でした。これも紆余曲折の一つです。
24歳の若さは飛躍の力です。同様に2時間07分台を目指した藤原新選手が2:07:48(東京2位)でゴールし、五輪代表候補のトップに躍り出ました。
北京五輪の際には2:08:40(東京2位)のタイムで補欠選手となりながら繰り上げはなく、ニューヨークシティでは37q付近でDNF、昨年は2:29:21(東京57位)、夏には足底筋膜炎になって、10月にはスポンサーとの契約が解除されるなど、紆余曲折そのものだったようです。
こみ入った事情があれこれ続く状況にありながら、背水の独り練習で何とか凌いだ30歳です。
フルマラソンを目標にアトミクラブで練習する私たちも、走歴・年齢・練習場所・勤務形態・家庭環境・経済事情・健康状態など、さまざまな紆余曲折を抱えながら努力していることになります。
勝敗や好不調、練習量やスピードだけでは割りきれないことがあります。
100名を超すメンバーが週に一度、織田に集まって練習できていること自体が希有のことなのかもしれませんね。
道や人生などが曲がりくねっていること。
曲がりくねった状態。曲がり道が多くて、真っ直ぐに進行できないこと。
また、込み入ったいきさつ。
複雑な経過。
込み入った事情により、実は複雑な変化があること。
Kang(1)記
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