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RUNNER's四字熟語 その34 時期尚早(じきしょうそう) 時機到来(じきとうらい) |
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ちょっと、ややこしいですか?
先ず、「時期」と「時機」の区別。
「時期」は、「何かをする折」、「何かを行う時、期日、期間」の意。
「何かをするに最適の季節(時季)」の意にも用いる。
「時期に投ずる」と用いて「タイミングをうまく利用して行動する」、「その時の状勢にうまく適合する」意。
「時期尚早」の「時期」。「尚早」は、「尚(なほ)早し」「尚 (なほ)早きがごとし」で、まだ早いこと、
まだその時期でないこと、状況としてまだ早いこと。
「時機」は、「そのとき」、「そのおり」、「そのころあい」。
「そのことを行うにあたり適当な機会」、「時間的な時期と機会」、「ちょうど良い機会」、「
何かを行うのにちょうど適した時」。
「その時の宜しきに適う」意で、「時宜(じぎ)」、「機会」、「チャンス」。「時機を逸する」「時機を失する」と用いて、
「そのことを実行するのに適当な機会を逃してしまう、失ってしまう」意。
「時機到来」の「時機」。「到来」は機運が向いてくること。待望の事象などが訪れること。
「時期尚早」で、「それを行う時期としては、まだ早すぎること」、
「事を行うに当たって、時期がまだ早すぎること」、「まだそれをする時期にはなっていないこと」。
「時機到来」で、「しおどきが適うこと」、「その頃合いが巡ってくること」。
さて、ランナーのあなた、
秋のマラソンシーズンが控えています。この夏、十分な練習を積んでこられましたか。走りやすい季節になりましたが、11
月・12月のマラソンを目指してだと、もう調整期間になります。今から距離練習開始では遅すぎます。アトミクラブのメンバ
ーは、完走するだけなら何とかなるかもしれませんが、良い記録を狙うには、夏の間のトレーニングの質が問われます。
十分な練習ができていない人は、これから走り込みをすることになりますから、今秋のマラソンには間に合いません。満足な
結果を望むには、やはり時期尚早と言わざるを得ません。今から距離を踏む練習に入る人は、2月・3月のマラソン準備と考え
るのが順当です。夏からの仕上がりが順調な人であれば、意欲も高まり、時機到来とばかりに結果が期待できるはずです。病み
上がりの人や、故障を抱えていた人にとっては、時期尚早なのか時機到来なのか、判断が難しいところです。練習が足り、気持
ちが整い、身体も整わなければ成果は伴いません。危険なだけです。
10月10日にシカゴマラソン2011がありました。
福士加代子が2時間24分38秒で第3位入賞を果たしました。
3000m、5000mの日本記録を持つスピードランナーの、3年9ヶ月ぶり2回目のマラソンです。
5kmを16分台のペースに最後まで競って行かれる走力はまだのようですが、満を持しての時機到来であれば結構なことです。
彼女にとって、初マラソンの大阪国際女子マラソン(2008.1.25)は散々な結果でした。
長居浜陸上競技場から大阪城公園を出るまでの30kmは独走でした。
目を見張るばかりの速さに、多くの人が新記録樹立を期待したはずです。
しかしそれも束の間、ご存じのとおり、坂を下ったところで急激なペースダウンに陥ることになります。
次々に後続ランナーに抜かれます。何とか長居浜に戻ってきたものの、競技場内で3回転倒を繰り返すなど、
這々の体のゴールとなりました。
2時間40分54秒で19位に落ちていました。
オリンピックで10000mの代表になるほどのスピードランナーであっても、
おそらくマラソンを走りきる身体は出来ておらず、時期尚早だったのでしょう。
彼女は2006年の丸亀ハーフマラソンで1時間07分26秒の記録を出しています。
単純計算でならフルを2時間15分で走ることになりますが、
イーブンで走りきるスピード持久力を身に付けるのは容易なことではありません。
一流選手であっても時期尚早なのか、時機到来なのか、判断の難しい局面があります。
市民ランナーとしても、判断には慎重さが求められます。
時期尚早:
それを行う時期としては、まだ早すぎること。
そのことを行うには、まだ準備や状 況が整っていないこと。
実行のタイミングにはまだ至らないこと。
時機到来:
それを実行するのに適当な機会。
準備を整えていて、やがて巡り来たチャンス。
待ち構えていたチャンスがやって来たこと。
Kang(1)記
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