アトミクラブ
RUNNER's四字熟語その33
刻苦勉励(こっくべんれい)

 ちょっと、ややこしいですか?
「刻苦」は「苦を刻む」で、心身を苦しめてまでつとめること。
甚だしく苦労すること。
人の経験しないような苦しみに耐えて、仕事や研究などにいそしむこと。
非常な努力を払うこと。力を尽くし心を労すること。
「勉励」は「勉め励む」で、つとめはげむこと。
しいて力を尽くすこと。嫌なことでも無理して行うこと。
余計なことに勢力を割かず、そのことだけに一心に努力すること。
はげむ、力を尽くす。はげます。
勉励のほかに勉氏E 勉礪とも記す。獅珮閧烽ンがく意。
「勉強」を学習の意としたり、値段をまける意とするのは日本での用法。
「勉」も「強」も「つとめる」意。
「刻苦勉励」で、力を尽くし、大変な苦労をして、学問などにつとめはげむこと。
東晋、陶潜の「雑詩」に「及時当勉励(時に及んで当に勉励すべし)歳月不待人(歳月は人を待たず)」とある。
「時を失うことなく楽しみを尽くす(つとめ励む)べきである。
年月はどんどん過ぎ去って、人を待っていてはくれないのだから」がその訳。
勉学を勧める詩ではない。楽しみは人それぞれ。

 さて、ランナーのあなた、
2011世界陸上が韓国・大邱で開催されました。 9月3日、アトミクラブ菅平合宿初日に、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が、男子200で金メダルを獲得しました。 8月28日の100m決勝ではフライングを犯して失格、誰もが疑わなかった優勝をフイにしていました。 200m決勝を迎え、注目はフライングせずにスタートできるか否かでした。 2009世界陸上では関心が世界新だけだったことを思うと、想像だにしない驚きでした。 全ては勝負と記録レースです。ボルトに求められていたのは、もはや人格の優劣や人間性の良否ではありません。 勝つのは当然で、期待されるのは記録のみということは本人も分かっているのでしょう。 200m決勝では、負の記憶を克服してスタートし、力の差を見せつけるトップゴールを果たしました。
 同じ日、男子50km競歩で森岡紘一朗が6位入賞し五輪内定を果たしました。 20km地点で17位、30km地点で13位でしたから、その粘りは感嘆に値します。 しかし、それよりも素晴らしいことがあります。 苦しくなってもフォームが乱れないのです。刻まれた苦さが、それを実現させました。 8年前、高校総体の5000m競歩で歩型違反で失格の憂き目をみています。 地元長崎の期待と声援を前に力歩し、トップでゴールしながらの結末でした。 高校3年生という若さを思えば、嫌気がさして競技生活を投げ出しても不思議ではないほどの悔しさを覚え、 失意にも沈んだはずです。フォームへの絶対の自信を培うまでに、いかほどの辛苦と努力があったことでしょう。
 失格の屈辱を晴らすには、言うまでもなく自分自身との闘いが必須です。 挫折の苦き思いを心に刻み、一心に克服の努力を続けるのは並大抵ではありません。 逃げることなく、雪辱を目指して勉励する心の強さ、私たちも学びたいものですね。 苦しさを求めて競技するアスリートはいません。 自らの楽しみを尽くすためにも、今の時間を大切にしたいものです。
季節は秋に移ります。走り込みを続けられる悦びに乾杯!


心も体も限界まで追い込んで努力し、力を尽くしきること。
力の限りつとめ苦心を重ねて目的に向かって勤しむこと。

Kang(1)記

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