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RUNNER's四字熟語その31 用意周到(よういしゅうとう) |
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ちょっと、ややこしいですか?
「用意」は「意を用いること」で、心遣いや用心の意。
そこから支度、準備の意や、競技開始の構えを促す掛け声の意が派生。
「周到」は「周く(あまねく)到る(いたる)」で、広くすみずみまで行きわたること、漏れなく行き届くこと。
「用意」と「周到」は主語・述語の関係。「用意周到」で、用意があまねく行き届くこと。
準備が整って総て手抜かりのないこと。
細かいところまで準備が行き届いていること。
全く手抜かり無く用意されていること。また、そのさま。
さて、ランナーのあなた、
「ヨーイ…ドン」の「ヨーイ」がランナーには馴染み深いですね。
スタート位置についた後、気持ちを整え集中して次の号令を待つ間、心に念ずることは何でしょうか。
僅かな間をおいて「ヨーイ」の声を耳に、スターターが見える位置なら紙雷管の白煙に反応して押すストップウォッチのボタン、反射して踏み出す第一歩。
レースに向けた準備、練習の用意周到さが試される一瞬。刻む一念。
準備の整い具合を、身体の隅々まで確かめながら今日のペースを推し量っていきます。
腰は?膝は?足首は?、足底は?アキレスは?脹ら脛は?ハムストリングは?、肺は?胃は?腸は?、腹筋・背筋・大腿四頭筋は?、リズムは?ストライドは?、体幹は?、腕の振りは?、肘や手首の角度は?走りの感触は?今日の意欲は?……
毎日、生活全般に気を配りながら、万全の準備で鍛え上げてきたランの総合力。
目指すは完走。先ずは自分の肉体や心理との勝負、自らの限界への挑戦です。
諦めが先立つようでは続きません。競り合うランナーとの勝負は結果に過ぎません。
順位は高いに越したことはないけれど、それよりもマラソンは自分との勝負が先です。
息を吐ききる呼吸は出来ているか?膝下の振り出しは出来ているか?着地時に身体は残っていないか?足指で地面を押す感覚を忘れていないか?など、呼吸や足運びを確かめながら走ります。
過呼吸気味になったり、腰が落ちて歩幅が狭まったりでは、調子は下がる一方です。
100mで1秒、ペースを下げる勇気があれば楽になります。完走への意欲が蘇ります。
終盤になって余力が有れば、100mで1秒、取り戻せば良いのです。冷静な判断ができなければ、完走は覚束ないことになります。
ランナーたちは、目標レースを定めては練習を積みます。
狙うマラソンを設定したら、練習にメリハリや刺激を考えて、5000mや10000mやハーフのレースを周到に組み込んでいきます。
努力しても報われるとは限りませんが、練習を続けます。
努力の裏付けのないマラソン完走はあり得ません。
走力維持や記録更新の蔭には、準備万端を整える日々の努力があります。
社会を担う一員として働きながら、自らの人生と生計を保ちながら、時間を見つけては身体を鍛え、心を鍛え、仲間と共感を持って前向きに走り続けるアトミクラブのメンバーたち、尊敬に値します。
ランニングに乾杯!
隅々にまで十分な目配りをして、手抜かり無く準備を整えること。
準備万端を整え、精神を統一して競技開始に備えること。
Kang(1)記
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