アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その29
粉骨砕身(ふんこつさいしん)

 ちょっと、ややこしいですか?
訓読は「骨を粉にし身を砕く」。
「粉骨」は、骨を粉にするほどに力を尽くして努力すること。
「砕身」は身を砕くほどに苦労苦心すること。「摧身」とも。
「砕」は、石が粉状になるほどにくだく(くだける)意。
「摧」は、手でくだく意。
熟語「破摧」は現代表記では「破砕」。
「さいしん」は、「砕身」「摧身」以外に「砕心」「摧心」の熟語もある。
心をいため身をくだくほど苦労すること、献身的に務めること、献身的に働くこと。
「粉砕」「骨身」と熟語二つを繋げば「粉砕骨身」で「骨身を粉砕す」だが、 四字熟語としては「粉骨砕身」。 「骨身」は「ほねみ」と訓読みして、骨と肉、骨と心身の意。 「骨身を削ぐ(殺ぐ)」「骨身を削る」「骨身を惜しまない」「骨身を尽くす」「骨身に応える」 「骨身に染みる」「骨身に懲する」などと用いる。
「こつしん」と音読みすれば仏教語で、仏陀の骨、仏舎利の意。 「粉砕(粉摧)」は、粉のように細かく砕けること、打ち砕くこと、また、再起不能なまでに打ちのめすこと。 「砕金」なら、細かく砕けた金の意から、美しい詩文の字句のたとえ。
中国『南斉書』の詩文に「粉骨砕身未足? 一句了然超百億」 〔粉骨砕身するも未だ?(むく)ゆるに足らず一句了然として百億を超ゆ〕とある。

さて、ランナーのあなた、
 社会人として自らの生計を立てながら忙中に時間を捻出してランニングを続ける人たち、 共通項は苦しみを求めていないことです。 骨身を惜しまず毎日のように練習を重ね、自らの限界に無心にチャレンジし続ける姿は、輝いています。 織田に週一回集まり、その日の自分に合ったグループに入ってひたすら走り続ける。 日々の走り込みで、もうこれ以上はとても無理と思ったペースにも、追って行かれるようになった歓喜、感激。 レースに出て、何度も弾かれた自己新を漸く達成した充実感、満足感。 仲間と共に走る時に感じる励まし合いと心の響き合い、連帯感。 走ることで仕事や対人関係のストレスも解消されます。 ランニングが果たす効果と爽快感。精神的疲労を走るストレスで相殺し、明日への意欲を生むバネとなっています。
でも、骨身を尽くしている時には気付かないことがあります。 力の限り努力して練習を積むランナーは、自分の限界を意識する視点が必要です。 限界を知らずに走り続けていれば、いつかは肉体的ストレスが蓄積され、骨身を削ることにもなりかねません。 半月板損傷、疲労骨折、関節炎、腰痛、腱断裂等々、実に骨身を削る事態が生じます。
肉体疲労により抵抗力が弱まった結果、免疫不全や感染症罹患に結びつく恐れもあります。 走りながらも身体の声を聴き、身体内からの悲鳴に敏感になることです。 骨にも身体にも、耐用限度があることを弁えることです。 根性の問題ではありません。 60歳、70歳になっても走り続けるためには、骨身を削ぎ骨を砕くほどには頑張らないことです。 骨身に応えるようになったら、休養を取ることが大事です。 身体を壊しては元も子もありません。 日々の努力が報われる程々を意識しましょう。 向上心が裏目に出て、再起不能を招いては困ります。
時にランを休む「忙中閑あり」に大きな意味があります。 先日のアトミクラブ忘年会では、幹事や司会、バンド演奏のメンバーたちが午前中から集合して、 分担や進行の打ち合わせを行い、歌や伴奏の練習に取り組んでいたそうです。 走る時間返上、昼食抜きで余興の練習に励み、準備万端の備えで年忘れの会を盛り上げていました。 一同感謝です。アトミクラブの芸達者たちの摧心が支える催しでした。心身が休まるひとときでした。
 練習のご褒美は、記録を出すこと、トロフィーを獲得することだけではありません。 骨身には休息のご褒美が不可欠です。


⇒骨を粉にし、身体を砕くほどに、力の及ぶ限り努めること、腐心すること。
⇒ 献身的に努力すること。身(み)を粉(こ)にして働くこと。
⇒力のある限り精一杯の努力をすること。
⇒身の続く限り尽力すること。労を惜しまず傾注すること。

Kang(1)記

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