アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その28
傍目八目(おかめはちもく)

 ちょっと、ややこしいですか?
 囲碁の世界から生まれた語。「傍」は「かたわら」「かたえ」「局外」の意。
「傍目(おかめ)」は他者の行動を脇から見ていること。
「傍観」・「傍見」に同じ。
「傍」を「おか」と読む例には「傍惚れ」がある。
「傍目」は「はため」とも読み、紛らわしいことから「岡目」と書く場合もある。
小高い「岡」からの遠望では、囲碁の局面は見られない
。 囲碁で地(じ)の数や石の数を算える語を「目(もく)」と言うため、「八目」は「八つの目」。
目数(めかず)を算える語である。
手数(てかず)を算える語ではない点に注意したい。
第三者として囲碁を冷静に見ていると、八目分もの地を獲得する手に気付くことがあることから、 「傍目八目」は、「対局者よりも局外者の方が目数を多く獲る良い手を読むことがある」こと。 「他人の布石を脇から見ていると、自分が対局している時よりも良い手に気付くことがある」こと。 転じて、第三者は物事を客観的かつ冷静に見られるため、是非や利害得失や真相、妥当性を当事者よりも見通すことができること。

 さて、ランナーのあなた、
いよいよマラソンシーズンの到来です。夏が長かった分、 急に寒くなって体調を崩しがちですが、ランナーの皆さんは大丈夫ですね。 むしろ、やっと走りやすくなったと、練習に打ち込んでいることでしょう。 織田フィールドの練習で走る仲間を見ていると、普段とは違う走りになっている様子に気付くことがあります。 肩に力が入りすぎていたり、肩のブレが大きかったり、腕振りが小さかったり、 肘の角度が狭くなったりしているのですが、本人はそのことに気付かずに、たいていは辛そうに頑張っています。 TTの日など、身体のバランスもリズムも狂ったまま、苦しい走りに終始し、当然タイムも落ち込みます。 苦しくなり辛くなればブレスも荒れますから、その点では本人も自覚しやすいのでしょう。 しかし、どこに無理が来ているのか、どこを意識すれば改善できるのか、 それ以上走ってはいけないのか、我慢しても走り抜く場面なのか、自分ではあまり解っていないものです。
 原因は、レース翌日であったり、合宿練習の直後だったり、週末の距離走の疲れだったりするのですが、 アトミの練習では、普段とは異なる走りの人に「リラックス、リラックス!」「肘をゆるめて!」 「肩の力を抜いて!」「歩幅が狭くなっていいるよ!」などと声をかけると、それだけで走りが切り替わり、 本来の切れを取り戻すことがあります。 「傍目八目」のなせる業なのかもしれません。 即効性はなくとも、具体的な指摘による気付きが復調の契機となる事があります。 「前へ付け!」、「頑張れ!」、「我慢しろ!」などの掛け声では、ゴール前ならいざ知らず、 「もっと苦しめ」と言っているようなもので、励ますだけに終わってしまいます。
傍目八目で気付いたことをストレートに指摘した方が、走りの切り替えや走りの修正に結び付くのかもしれません。
 全く走らぬ妹の、サブスリー目前の吾に告げし言の葉。
「背はハーフマラソンの方が適っていると思うよ。」傍目八目、正に至言か。


「八目」は八つの目に相当する陣地を獲る手の意で、八手先を読むと解するは誤り。
⇒当事者では気付かないようなことに、部外者ならでは気付く点もあること。
 自分よりも他者の方が物事を客観的に見られる場合があること。
Kang(1)記

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