アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その23
和気藹々(わきあいあい)

 ちょっと、ややこしいですか?
和気藹然(わきあいぜん)とも。
「和」の訓は「なごむ」「やわらぐ」「なごやか」。
仲良くすること。おだやかなこと。
「和気」は穏やかで安らいでいる気色。
混乱や争いが収まって穏やかになった状態も含みとしてある。
自然にも人事にも通用する語。
のどやかな天候、あたたかな陽気の意と、なごやかな雰囲気、仲睦まじい気分の意。
「藹々」「藹然」は、草木の繁茂している様から、もの柔らかに穏やかな様子の形容。
同音の「靄々」「靄然」も、雲や靄(もや)がかかり棚引く様から、和やかな雰囲気に包まれ穏やかな様子の形容で、相通ずる語意を持つ。
四字熟語としては「和気藹々」で、和やかな気分がみなぎっていること。
蛇足ながら、「十七条憲法」冒頭に「以和為貴」とある。
「和を以て(わをもつて)貴しと為す(たふとしとなす)」(わをもってとうとしとなす)と訓読。
しかし、「和を貴いと考える」「人の和を貴いことだと思う」に至った聖徳太子の心境はどのようなものだったのか?
典拠とされる『論語』「学而第一」には「有子曰礼之用和為貴」とある。

 さて、ランナーのあなた、
競技志向が強い選手権のランナーはいざ知らず、市民ランナー一般には和気藹々とした共通項があります。
なぜだろうかと考えていて思い当たったのは、ふだん走っている時の意識です。
速くなりたいという強い願望はあるにしても、自分と向き合っている自覚の方が色濃いのではないでしょうか。
自分と向き合いながら、考え、感じ、走っている内に、つまずきや悩みがあってもリフレッシュされ、解決策が思い浮かんだり、昇華したりします。
闘争心が対戦相手に向かう競技との違いかもしれません。
言いたいことを我慢するのが「和」ではありません。
嫌なことを我慢させるのも「和」ではありません。
生活基盤は当然に個々別々ながら、ことランニングについては目的や目標を共有し、走力を伸ばしたい、走力を維持したい、走る環境を保持したい、一人で走るよりは効果的な練習をしたい、 一人では質的に不可能な練習をしたい、と願う仲間の集まりがアトミクラブです。
全国OB・OG駅伝、東日本国際駅伝、奥むさし駅伝競走など、クラブの総力を結集して取り組む行事はありますが、 強制ではありません。
縛りではなく自発的な意思を尊重し、参加の歓びを分かち合う気風が、永年の間に培われてきたアトミクラブの特長です。
和気藹々の雰囲気を大切にするための心得は、自らの趣味・嗜好・言動が、他の不快を誘い顰蹙(ヒンシュク)を買うなら、 自らを抑制すること以外にありません。
それが基本中の基本です。
走る仲間に配慮し尊重し合うようでなければ、うち解けた和気藹々の仲間とはなり得ません。
アトミクラブは、多くの老若男女が参加する大きなクラブです。
それだけに、諍いや不快を持ち込まないように個々に自制が必要です。
親しき仲にも礼儀あり、ほどほどの距離感覚と節度が必須です。


なごやかな雰囲気に満ちていること。なごやかさが溢れていること。
和やかな空気が充ち満ちているその場の様子。
⇒諍いが収まり穏やかな状態。
Kang(1)記

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