アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その21
暗中模索(あんちゅうもさく)

 ちょっと、ややこしいですか?
「暗中」は暗闇、暗がり。
「模索」は物を手探りで探すこと。
「模」も「索」も元々は「?(てへん)」だが、現代表記では「模索」を借りて通行(本来なら「模」は手本や型、真似る意、「摸」で手探りするの意。
「索」は縄や綱、たぐり寄せる意、「?」を付けて探査する・捜査するの意)。
真っ暗な中を手探り状態で訳も分からずに物を探そうとすること。
『世説新語補』に「許敬宗という人がいた。
有能を傲り高ぶり、相手を侮る性格だったが人と会っても忘れることが多かった。
ある人が聡明でないと批難すると、印象的な人たちなのだから暗闇の中で捜しても認識できるよと応えた」という話が載っているが、そこに登場する熟語。 『隋唐嘉話』にも同様の話が載る。
「暗中摸捉(あんちゅうもそく)」とも。

 さて、ランナーのあなた、
「ア+ミ」の由来を初めから知っているメンバーならいざ知らず、 多くのメンバーは初めてアトミクラブの練習に顔を出したときには正に暗中模索の気持ちだったのではないでしょうか。
アトミというと、速い若いランナーばかりの集団なのではないか、競技志向が強いランナーばかりではないのか、 織田フィールドの更衣室はどう使ったらいいのか、 シャワー設備は利用できるのか、 近くに銭湯はあるのか、 会の運営はどのようにされているのか、 メンバー登録はどうしたらいいのか、 練習内容はどうなっているのか、 練習開始時間前にアップは済ますのか、 スタートはどこからなのか、 クラス分けがあるようだが自分はどこで走ったらいいのか、 年会費などの徴収はあるのか、 レース出場に縛りはあるのか、 陸連登録はどうしているのか等、 まったくの手探り状態で参加されたことと思います。
実際には、競技志向でタイムを追うグループもあれば、 ファンランに近いけれど速くなりたい、 自己ベストを目指したいというランナーもいます。
往年の競技者で今は年齢に応じた走りを希むメンバーもいます。 健康維持を第一のランナーもいれば、国際資格を取るための練習を求めるランナーもいます。 みな、社会人として懸命に生きながら、共に走る仲間を求め、より質の高い練習を求めて織田に集まって来ています。
アトミクラブには、その時々の自分の状況に応じた練習が出来る環境が用意されています。 練習参加者がコンスタントに100名を超えるクラブだから可能になることです。 共通項は、自分が目指す目標に向かって、時に凌ぎ合い、時に支え合い、謙虚に気持ちよく走ろうとしている点です。
みな、働きながらもランニングに勤しもうと夜間照明の許に集まって来る仲間です。 男性はもちろん、女性ランナーも安全に安心して練習ができるクラブがアトミクラブです。 このような良い雰囲気は、手探りの中から、参加メンバーの一人ひとりが作り上げてきたアトミの宝です。
メンバーが相互に良好な練習環境と人間関係を構築してきたアトミクラブに、 パラリンピックのマラソン金メダリストがいたり、 デフリンピックのマラソン日本代表選手がいたりすることは嬉しいことです。 オリンピックのマラソンを日本代表として三度走ったランナーも顔を出して、暗中に光明のアドバイスをしてくださいます。 有り難いことです。 分け隔て無くお互いの努力・鍛錬を率直に認め合うアトミの空気を大切にしたいですね。


⇒真っ暗がりの中で手探りに物を探すこと。
⇒手がかりのない物事を見付け出すこと。
⇒訳も分からず古人の言葉をやみくもに引用すること。
⇒手がかりもないのに当てもなく捜すこと。

Kang(1)記

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