アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その18
七転八起(しちてんはっき)

 ちょっと、ややこしいですか?
七転び八起き(ななころびやおき)の音読み。
底を重く作ってある「起上小法師(おきあがりこぼし・不倒翁)」が、倒してもすぐに立ち直ることから出た語とされる。 「だるま」もその玩具の一種。
インドから中国に赴き嵩山少林寺で面壁九年(めんぺきくねん)の修行の末に禅宗の始祖となった達磨大師。 その坐像に似せて作った張り子の縁起物「だるま」は、江戸時代の初頭、長崎の黄檗集の寺院に伝来したと伝えられる。
「七転八起」は商売繁盛や出世開運を願う熟語で日本特有。用例は江戸時代の初期から見られる。

 さて、ランナーのあなた、
フルマラソンで、思いどおりに走ることができたことは何回あるでしょうか。 どんなに練習を積んでも、毎回イメージどおりに走っている人などいないことでしょう。 今日こそは自己ベストが出ると確信しながら、路面の凸凹に足を取られて転倒し顔も手も血だらけになってしまったとか、 最終の給水で他のランナーと交錯して転び骨折してしまったとか、 給水が儘ならず30q過ぎてから脱水症状が出て救急車の世話になったとか、 走友の身に生じた事々を仲間内でも耳にしたことがあるはずです。
コンスタントにサブスリーを重ねている人でも、レースの一回一回は違う思いで走っています。 コンディション一つでも、晴れているか降っているか、風が強いか弱いか、暑いか寒いか、その日の体調が良いか悪いか、 スタート前にトイレに行かれたか行かれなかったかも含め、一様の条件の下で走ることなど有り得ないことです。
42.195qを走り抜くということは、体力の限界との挑戦であるばかりでなく、メンタル面でもぎりぎりの挑戦です。 良いレースをしようとすれば、身体能力、持久力、判断力、忍耐力、想像力、状況認識力、克己心、挑戦心のいずれもが必要になります。 スピード練習が欠けていた、月間走行距離をもっと延ばしておけば良かった、35q走をもう一度やっておけば良かった、直前の体調をもう少し整えておけば良かった、などと走りながら反省ばかりが頻りになると、思うように足が運ばなくなります。
仕事が忙しくても、残業続きでも、家庭の都合があっても、飲み仲間の誘いがあっても、視たいテレビ番組があっても、天候が思わしくなくても、様々に遣り繰りして練習の時間を確保している市民ランナーにとって、ベストの体調でレースを迎えることは容易なことではありません。
1レースの中でも七転八起は生じてきます。 呼吸が苦しくなってきた時、徒に息を吸い込んでは過呼吸になってしまいます。 息を吸うことに意識があるようでは、DNFが時間の問題です。 息を吐ききることを意識するのがペース維持の秘訣です。 七度苦しくなっても八度走りを取り戻すための呼吸法です。 息を吐ききると横隔膜や腹筋などが強く収縮し、その反発で自動的に胸部や腹部が拡張し、深い呼吸が出来るのだそうです。 多くの空気を取り込んで、快調な走りを、頑張りのきく走りを取り戻しましょう。
 七転八起は起き上がる希望があるから励まされます。 助かります。 転がりっぱなし、倒れっぱなしの七?八倒(しちてんばっとう・七転八倒)では悶絶しかありません。


何度倒れてもその度に起き上がること。失敗を重ねてもめげることなく再起すること。 浮き沈みの激しい人生の譬え。
⇒一度や二度の失敗にへこたれずに頑張れとの励まし。
⇒浮き沈みがあって当然なのが人生。人生は山あり谷ありが当たり前。
Kang(1)記

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