アトミクラブ
RUNNER's四字熟語 その14
一衣帯水(いちいたいすい)

 ちょっと、ややこしいですか?
衣帯(いたい)はこの熟語では帯(おび)のこと。
一衣帯(いちいたい)で一筋の帯。水は川や海峡。
「一衣帯水」の熟語構成は「一衣+帯水」ではなく「一衣帯+水」だから「一衣帯の水」。
一筋の帯を引いたような「狭い水の流れ(川)」。
もしくは、帯を引き延べたような「狭く長い海峡」の意。
また、延べた帯のような川や海によって隔てられていること、狭い海峡や河川を隔てて近接していること。
唐代に編集された『陳書』・『南史』や元代に編まれた『宋史』など「二十四史」中の書物にも用例がある。
四字の語は「2+2」の構成で読まれやすいが、四字熟語の「一衣帯水」の意味構成は「3+1」。
固有名詞の清少納言も「清少+納言」と読まれるが、意味構成は「1+3」で「清+少納言」。

さて、ランナーのあなた、
あなたは、どんな目的でアトミクラブに参加しているのでしょうか?
また、どんな所にアトミの良さを感じ取っているのでしょうか?
アトミクラブには老も壮も若も青も男も女も、多くの市民ランナーが集まって来ます。
今より速く走りたい、走る意欲をかきたてたい、走る気持ちを維持したい、走る仲間が欲しい、 一人では出来ない練習をしたい、好きな走りで充実感と連帯感を味わいたい、 いつでも自分の走力に合った仲間がいる、一緒に走る喜びを享受し合いたい、 といったところが共通する心情でしょう。
営利目的や軟派目的では相手にされません。
「一衣帯水」にアトミクラブを見立てると、その細き流れに添って走っていこう、 走る仲間同士が流れの中で鍛え合っていこう、 個々の生活を尊重しつつも走る喜びで繋がろうなどと願いつつ、 市民ランナー達は周辺から集まって来るのでしょうか。
各々仕事を持ちながらも、仕事社会とは隔絶した走る世界を大切にしていこうという、 気持ちの上で近接している人々の集まりがアトミクラブなのでしょう。
その一人ひとりの思いが滔滔たる水の流れとなって、 創設25年を迎えるに至っていることは喜ばしいことです。 管理意識と個性が強すぎる人が前面に出るような組織だったら今日の盛況は無かったことでしょう。
「青東クラブ」と「みすじクラブ」が合流して一筋の流れとなって、 「アトミクラブ」の流れは未来に連綿と続いているのです。
アトミクラブの基本的な考え方は、健康に留意しながら仲良くいつまでも走り続けることにあります。 いたずらな縛りがありません。
練習会への参加が自由で、伸び伸びと走ることができる点、大会参加を拘束せず、 個人の自主性に委ねられている点、個々に走力が違うことを前提に、 それぞれの努力を認め合い尊重し合う点、等々、記録向上だけを目指すと捨て去りかねない面を大切にする、
優れた理念が備わっています
。 速さのみを追い求め、記録が全てであるようなら、 今日のアトミクラブはなかったはずです。
数値的な速い遅いを価値観の中心に据えることなく、 一人ひとりの努力や意欲や頑張りが、そのまま認められるということは、とても大切なことです。
制約のない自由はあり得ないけれど、無意味な拘束のないクラブがアトミクラブです。
わきまえのあるメンバー達によって支えられているクラブです。
アトミのメンバーは、いがみ合って紛争の火種をくすぶらすのはつまらないことであると考えます。
「一衣帯水」を共有する仲間として、互いの人格と人生を尊重し合い、 相互に魅力的であり刺激的であり続けたいと願うランナーの集まりです。
結果、メンバーは互いに一衣帯水の適度な距離を保って織田フィールドに集います。


細く狭い川や海峡そのもの。
⇒@一筋の細い水の流れ(川)
⇒A狭く延びる海峡
  細く狭い川や海峡を挟んで近接・隣接していること。
⇒B川や海によって僅かに隔てられていること。
⇒C狭い海峡や河川を隔てて接していること。

Kang(1)記

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