アトミクラブ
不可能なんてない
川西美穂 (入会2014年)

 アトミクラブの練習会に初めて参加した時のことは今でもはっきり覚えています。メニューは5000mTT。トラックを走るのは初めて、5000mという距離を走ることも初めて、何もかもが初めて、とにかく緊張して行きました。
 それまで近所をジョグする程度の走歴しかなく、当時はインターバルやペース走という言葉すら知らず、「国際ランナーって何?」という状態。
 トラックを全力で走る皆さんの姿はとても刺激的でカッコよくて、「場違いなところに来てしまったかもしれない」と思いつつも、「私も速く走れるようになりたい。いやなってやる」と心に誓いました。
 それから毎週木曜日は何としてでも仕事を切り上げ、レースに向かうかのように緊張しながらの織田フィールドへ。必死で走る中で、いろんな方に声をかけていただいたり、自分からも思い切って声をかけたりするうちに、毎週木曜日は楽しみな日に変わりました。
 初めてのTTから5年。いまだに織田フィールドを走ることが楽しくてたまりません。故障も良くしたけれど、そんなときに相談に乗ってもらったり、アドバイスをくれる仲間ができたことも私の財産です。そしてもちろん記録も大幅に更新。
 なによりうれしかったのが、昨年11月のつくばマラソンでのサブスリー。レース中もアトミの仲間に励まされ、あきらめないで走り続けることができました。アトミクラブの練習会に参加する前の私は「サブスリーなんてできっこない」と思っていましたが、「サブスリーはできっこないじゃなくてやってやるもの」に変わりました。
 一人ではできない練習もアトミの仲間と一緒だから乗りきれる。アトミクラブは私にとっての不可能を可能にしてくれた存在です。織田フィールドでの練習はもちろん、合宿や駅伝など走りだけでなく、肝臓も鍛えられたような気もします。
 アトミクラブの35年の歴史を考えたら私の走歴なんてまだまだ。これからも人生の先輩方に叱咤激励されつつ、できっこないをやってやります。


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