アトミクラブ
アトミクラブ35周年記念文集
はじめに

 2019年4月、アトミクラブは結成35年を迎えました。節目の年を皆様と共に迎えられたことを大変嬉しく思います。
この結成35年を記念して16年ぶりに文集を編むことにしました。過日、原稿募集の呼びかけをしたところ、じつに多くの方から思いの丈を籠めたご寄稿がありました。その一つ一つの文章はアトミクラブへの各々の気持ちを表明する素晴らしい内容でした。最初に原稿を拝見させていただいた私の目に、お一人お一人の顔と走る姿が浮かび上がってきました。

 この記念文集は皆さんから寄せられた原稿による「文集」と併せて、8月4日に新宿プリンスホテルにおいて開催された「アトミクラブ結成35年を祝う会」の誌上「採録」を試みています。また35年の歩みが分かるように「アトミクラブの35年の歴史を振り返る」と題する「年表」を添えました。さらに1996年に記録採取を始めてから今日に至るベスト記録と懐かしい写真の「集成」も載せました。もう何年経ったか分からないような昔にまで遡ることができ、この文集に華を添えています。ぜひゆっくりご覧いただき、クラブの35年を実感してください。
 この文集のタイトル『走輪』は、前回の文集のあとがきに"…走ることの好きな連中が走りの輪を広げていくイメージで付けました…"とありました。アトミクラブは1984年4月に一滴のしずくが細き流れを起こしました。最初の小さな流れはいく筋もの流れを呼び込み、ゆっくりと時間をかけ川幅を広げながら、走る仲間同士の連帯と信頼を深めてきました。「一衣帯水」、一筋の帯のごとき狭い川は、クラブの新たな春秋を合わせ、これからも大きな河を目指して流れ続けます。

 いま、アトミクラブの木曜日の練習会には常時150名位の方が集まって、熱い気持ちの籠もった練習で汗を流しています。70歳代後半から80歳代の高齢者も、若きは10歳11歳といった小学生も混ざり、トラックの中は3世代が時と場所を共にして走っています。女性メンバーの参加率も飛躍的に伸び、練習会はまさに「百花繚乱」です。

 最近、一度メンバーを抜けた方の回帰が目立つようになりました。転勤で、海外勤務で、結婚で、出産で、ご病気や長期の故障で参加できなかった方々が、5年ぶり、10年ぶりと口にしつつ復帰しています。まさにいつでも帰ってこられる"ふるさと"アトミクラブです。アトミはいま、「故郷回帰」に沸いています。

 今回の文集の中で、次なるアトミを担いたいというメッセージを籠めた原稿がいくつもありました。心強い限りです。駅伝だけでなくクラブ運営でも見えない「たすき」が繋がる気がいたしました。世代交代の波はもうすぐそこにあります。「以心伝心」でしっかり引き継いでいきたいものです。大切なのは、アトミクラブの「心」の継承です。

 これまでアトミクラブはたくさんの栄光や栄誉を頂戴してまいりました。その一つ一つを数え上げればキリがありません。もともとアトミクラブは、メンバー一人一人がいかに充実したランニングライフを送っているかを大事にするクラブです。金井さんの書かれたランナーズ四字熟語に「一期一会」がありました。茶道に始まった言葉で「…人との出会いを大切にすること。一生に一度の貴重な出会い…」とあります。皆で共有する生涯の宝は、ランニングとの出会いであり、アトミクラブとの出会いです。
 この記念文集は、正にこの気持ちが凝縮された1冊となりました。

アトミクラブ代表 関田善作


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