アトミクラブ
「故障・がん闘病からの復活、そしてサブスリー」
上野 力 (入会2016年)

 2019年4月21日、長野マラソンでついに悲願のサブスリー(2時間58分1秒)を達成しました。 サブスリー達成までに、走り始めから実に8年半の歳月を要し、苦難の連続でした。

 2010年の秋、40歳の時にメタボ・運動不足解消のためにスポーツクラブに通い始めたことがきっかけでトレッドミルから始めたランニング。 次第にロードを走るようになり、レースにも出場するようになると走る度に記録を更新していき、いつしか競技志向のランナーになっていました。

その後順調に記録を伸ばしていき、2015年秋のレースでサブスリーを目標に掲げて、春から練習量を増やしました。 練習量ばかりに気を取られケアが不十分だったため、ある日ハムストリングの肉離れを起こしてしまいます。 それでも無理して3日後のレース(東京30km秋)に強行出場した結果、肉離れが重症化し、その後走ることが出来なくなりました。 整形外科や接骨院を何カ所も回りましたが、なかなか症状は改善せず、その後エントリーしていたレースは全てDNSとなりました。

 結局、治療は約1年間続けましたが完治することはなく、軽いトレーニングなら出来るようになったものの練習量を増やせないので競技志向でのランニングは諦めかけていました。 治療を続けても先が見えない不安の中、モチベーションも下がりはじめ、一人でランニングを続けるのも精神的に厳しくなってきたので、 2016年5月アトミクラブに入会しました。 入会当時、織田フィールドは改修中で練習は代々木公園がメインでしたが、たまに走る夢の島競技場は陸上トラックを走ったことがない私にとって新鮮で、入会して良かったと思える時でした。

 入会して間もない9月、さらに不運が続きます。精巣に腫瘍が見つかり右精巣摘出手術を受け、 当初は術後2〜3週間でランニングを再開出来ると思っていましたが、その後の検査で抗がん剤治療も必要となり入院生活を送る事になりました。 抗がん剤の副作用に苦しみながらも年末ぎりぎりに無事退院しましたが、2カ月半の入院生活により筋力・心肺機能は低下し、退院日の駅の階段さえも辛く感じ、 急激な体の衰えに大変なショックを受けました。

 退院して半月後、約4カ月ぶりに走ると、ゆっくりでも3kmが精一杯でした。 身体はランニングを始めた時の状態に戻ってしまい、サブスリー達成に向けてまた一から出直すことになりました。 ただ、幸か不幸か入院中の完全なランニング中断により、肉離れをしたハムストリングの痛みは全く気にならなくなっていました。

 焦らず1年以上かけて筋トレとJOGで下地つくりをし、アトミクラブへは2018年4月に復帰しました。 久しぶりのスピード練習に付いていくのは大変でしたが、年が明けた2019年頃から走力が向上したことを実感し、 いよいよサブスリーが現実味を帯びてきました。

 長野マラソンレース当日は若干オーバーペース気味で突っ込み、後半は失速してしまいましたが、今までのレースのように終盤で大幅に落ち込んでしまうことはなく、 落ち込みを最小限に食い止めることが出来たのはアトミクラブでの練習の成果だと思います。

 来年50歳となり、走歴10年を迎えます。全日本マラソンランキング100位以内のランクインを目標に掲げ、これからもランニングに励んで参りますので、 アトミクラブの皆様、これからもよろしくお願いします。

 走れる身体に感謝。走れる環境に感謝。いつもランニングを支えてくれる妻に感謝します。


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